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理系・文系を重ねて見る光景は
法外を逃れられぬ「るろうに剣心」の法外な罰
女児の裸が写った動画や画像を所持したとして警視庁少年育成課は21日、児童買春・ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で、人気漫画「るろうに剣心」の作者和月伸宏(本名西脇伸宏)氏(47)=東京都西東京市=を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。9月から続編シリーズを月刊誌「ジャンプスクエア」で連載していたが、発行元の集英社は12月4日に発売する次号からの休載を発表。「社として重く受け止めております。作者は、深く反省しています」とコメントした。
送検容疑は10月、東京都内の事務所で18歳未満の女児の裸が写った動画が収録されたDVDなどを複数枚、所持した疑い。捜査関係者によると、別の児童ポルノ事件の捜査で、和月氏が児童ポルノを所持している疑いが浮上し、同課が10月に自宅や事務所を捜索していた。「女児の裸に興味があった」と容疑を認めている。(スポニチアネックス)

もちろん、違法は違法なのだが待望されている連載が止まったり、映画化まで難しくなるっていうのはなあ。
数年前までは罪に問われなかったことが、これほど大きく取り上げられるって罪の軽重と報道の軽重があまりにアンバランスな気もします。
「女児の裸に興味があった」と容疑を認めているとまで報道がなされているけど、芸術、とりわけ絵を描く漫画家などならある程度当然の興味でもあろうと思うけど、この部分だけを切り取られるとまるで変質者みたいではないか。
以前、東京都の青少年健全育成条例の改正案に対して「2次元児童ポルノ」を規制するもので改正案に危惧、反対するとして漫画家のちばてつやさんなどが反対声明を発表していて、「文化や表現など新しいものが起きるときはいろんな種類の花が咲く。スミレやサクラなどかれんな花もあれば、ジャングルで形もにおいもすごいラフレシアのような花もあるが、根っこですべて繋がっている。『この花は汚い』と根を断つと、植物群全体が滅ぶ」と改正案を批判した。
これって、たぶん「健全な常識に立ち明快な作品を書きつづけた功績」が評価されて菊池寛賞を受けた石坂洋次郎(青い山脈、若い人などの大流行作家)が、その受賞パーティで「私は私の作品が健全で常識的であるという理由で、今回の受賞に与ったのであるが、見た目に美しいバラの花も暗いじめじめした地中に根を匍わせているように、私の作品の地盤も案外陰湿なところにありそうだ、ということである。きれいな乾いたサラサラした砂地ではどんな花も育たない」からの引用もあるんじゃないかと思うけど、これら文学的表現ではマスコミ、世間の風には全く届かないのか。

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もう、何度目の引用か、いやになるほどだけど、やはり記さなければならない。
文豪トーマス・マンはルーブル美術館を訪れ絢爛たる巨匠達の作品を眺め、かくのごとく記した。
「人間は罪を犯してきた。獣のようにふるまってきた。しかもその間に絶えずこういうものを生産し続けてきたのだ。この場合、これらのものの、根源をなす人間の神的な部分と獣的な部分を区別するのは誤りではないだろうか。確かにこの両者は人間の全体よりほとばしり出るのだ」。

あるいは前回の「人のかくも深き闇」もそうだけど、
「僕の心の中にはいつも、埋めようのないぽっかりとした空間があり、心のぽっかりがなくなることは、永遠にない。でも、ふいに心が熱くなる瞬間があって。人生は悪くないよって。そう思えるよって。むしろぽっかりがあるからこそ、そういう瞬間が訪れるのかも知れない」(「この声をきみに」NHK)
ぽっかりを闇が埋めるのか、光が埋めるのか。どちらかというのではなく、光、闇、あるいは黄昏もあって、闇に覆いつくされるようであってもふいに心が熱くなる瞬間が訪れるかもしれず、光に溢れていてもふいに心が冷たくなる瞬間もあるかもしれない。
人は誰もそんな線上を歩いている。
もちろん、児童ポルノがいいとは誰も思っていない。
画像は石坂洋次郎原作の「あいつと私」。
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テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術

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