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理系・文系を重ねて見る光景は
訃報 白土三平
江戸時代の封建社会で差別や迫害と闘う人々を描いた代表作「カムイ伝」で知られる漫画家の白土三平(しらと・さんぺい、本名岡本登=おかもと・のぼる)さんが8日、誤嚥性肺炎のため東京都の病院で死去した。89歳。東京都出身。葬儀は親族で行った。
画家で左翼運動家の父、岡本唐貴の影響で油絵を学び、紙芝居作家を経て1957年の「こがらし剣士」で漫画家デビュー。当初は貸本漫画を軸に執筆活動を展開し、忍者や剣客が登場する冒険活劇を次々に発表、戦国時代が舞台の長編「忍者武芸帳」で人気を確立した。64年には「月刊漫画ガロ」の創刊に加わり「カムイ伝」の連載をスタートした。(共同通信)

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ゴールデンコミックス版「カムイ伝」。月ぺ扉絵から「サスケ」もいます。

僕はどちらかといえば少女マンガ派なのだが、かたや「カムイ伝」も小学館のゴールデンコミックス版で熱心に読んでいたから、ちょっと差別など政治性を帯びたテーマに少しは目を開かれることもあったのだろう。もちろん、アニメの「カムイ外伝」も好きで、こっちは「変異抜刀霞斬り」や「飯綱落とし」などの忍び技などにも夢中になった。夢中になりすぎて、我が必殺剣「位相微塵斬り」を編み出したのもこの頃だ。
ブログを書くにあたってちょっと読み直してみたのだが、なんと7巻の比翼の巻では巻末の解説を王貞治さんが書いている。確か全巻あったはずなのだが、画像の4巻だけしか見つからなかった。綴じが劣化してけっこうべろべろになってしまった巻もあったはずだから捨ててしまったのかもしれない。
少し目を開かれることもあったといったのは、このあとも「はなれ瞽女おりん」「瀬降り物語」「火まつり」など差別を描くような物語にも興味を持つようになったからだ。
瞽女というのは盲目の女性芸能者たちのことで、江戸時代は組や座を作っていて旅巡業をしていたという。瞽女の掟は厳しく、はなれ瞽女は男と関係を持つなどで組を放り出された者で、さらに孤独に生きねばならなかった。
ちょっと事情は違うが抜忍を連想させますね。この辺りの瞽女の掟の厳しさは綾瀬はるかの「ICHI」でも描かれている。

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2005年の「カムイ伝全集」刊行のおりには大々的な新聞告知もあって、荒俣宏、夢枕獏、藤原新也、夏目房之介、田中優子等いずれも団塊の世代の多くの有名人がコメントを寄せた。「自由と平等を求めるカムイの夢はテロと戦争にゆれる今こそ新しい」「混迷を極める現代を生き抜くための答えはここにある」と。
あの頃はなにも一部の学生や文化人だけでなく、王さんなど多くの若者が読んだのであった。僕はつくづくマンガとアニメと映画とテレビ、本で社会を学んだのだなあ。
テロと戦争ばかりでなく成熟した民主主義のなかでも生まれる社会の分断、今こそ新しい混迷を極める現代を生き抜くための答えはここにあるのかもしれない。
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テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術

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