理系・文系を重ねて見る光景は
個体はぜん動、流体は脈動をもって 自然に学ぶ
人の消化管の「ぜん動運動」を応用してロケットなどに使われるゴム状の固体燃料を効率よく作る技術を、中央大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究チームが開発した。大腸を模した装置のゴム部分が伸びたり縮んだりして燃料を混ぜ合わせるもので、この方法で作った燃料でロケットのエンジンの燃焼実験に成功したという。
固体燃料は従来、原料を窯に入れてミキサーのような機械で混ぜ合わせた後に取り出し、別の容器に入れてロケットなどに装填(そうてん)される。このため、一度に混ぜ合わせる量に制限があったり、窯などに取り出し切れない燃料が残ったりした。また、金属製の羽根が摩擦で火花を起こし発火する危険性もあった。
チームでは、人がとった食べ物がぜん動運動で消化管を移動する仕組みに着目。直径約6センチの筒の周りにゴムの膜でできた人工筋肉を張り、空気を送り込んで筒を収縮させ、ぜん動運動を再現した。試験の結果、ぜん動運動によって筒の中の材料がよく混ざり、できた燃料も効率よく絞り出された。(毎日新聞)

宇宙機関のJAXAと消化器官のぜん動運動がこのようにつながるのだね。
しかし、まあ人間の身体って血液や食べ物などを実に効率よく運ぶのだなあ。
以前にも長い管のなかに水や空気の流体を効率的に流すのには、常識とされた一定の速度を保つのではなく、心臓から血液が送り出されるようにドクン、ドクンと脈動させた方が効率がよく、最大で58%の流体の輸送にかかるエネルギーを節約できるのだという記事(東京農工大 岩本薫特任准教授)があったけど、固形物はぜん動運動なのか。
人間の身体はつくづくよくできている。
稲垣足穂は人間の本質を口から肛門という空洞に見立てた(その周りに骨、肉、血管が取り巻いて皮で覆われたのが人間、つまり人間の中心は空洞なのだ)という「A感覚とV感覚」という怪作を書いているけど、なるほど、血管も消化器官もかくもよくできているとなれば、こういう発想もあるかもしれない。

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あらゆる工場群には数々の配管がなされ流体物が効率よく運ばれ、ふつう配管を流れる水は管の中心のほうが流れが速く、内壁に近いほど遅くなる。ゆっくりとした流れであれば問題はないけど、速くなればなるほど中心と周辺の流れの速さの違いが大きくなり、渦ができ、流れが乱れてしまう。
この乱流を防ぐために内壁に突起物をつけたり、化学物質を混ぜたり工夫されてきたけど、この脈動を適切に与えれば、どんな流れも乱流を起きにくくし、摩擦もぐんと減るという。まだ流体理論では説明できないらしいけど。
まったく、自然の創造物は限りなくよく出来ている。
原発も冷却機能が重要な役割を占めていたりするから、冷却水の配管などが至るところに結ばれていた。
でも人間の血管のように有機的にうまく機能しなかったのは福島原発のとおり。
謙虚に自然に学ばなければいけないのだろう。地球はゆっくりと、あるいは劇的に生きているのだ。
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