理系・文系を重ねて見る光景は
「イノセント・ラブ」は自転車に乗って
「イノセント・ラブ」月9ドラマとしては視聴率が16%台と低くスタートし、もういろいろ言われたりするけど、あのテーマ性でまあ、高くなるはずがないのだ。
そんな堀北真希をおもんばってか、小林信彦がさっそく週刊文春のコラムで期待のできる出来栄えと言っています。
さらには演技の幅が広く、同世代のなかでは今いちばん品格のある女優とまで言ってくれているから大丈夫。小林信彦は年季の入った目利きなのだから。
やはり、最近は綾瀬はるかも気になるらしく、「ICHI」についてもおそらく書いてくれますね。

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堀北真希は自転車に乗るシーンが多く印象的なのだけど、たしかに「イノセント・ラブ」でも自転車の乗って登場してきたのであった。
もう、ひとつのイメージとして定着するほどに自転車の似合う少女なのだ。
いや、もう20歳なのだった。
堀北真希の愛車は、シルバーのプジョー(PEUGEOT)・シティツアー(CITY TOUR)でロングツーリングにも最適。フロントサスペンションとシートサスペンションが付いている快適なものらしいです。
 
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堀北真希10代最後の大冒険! ヨーロッパ3カ国 自転車200キロの旅
発売日: 2008/05/30  定価 3,990円

2007年12月8日(土)13:30?15:26、フジテレビにて放送された「堀北真希10代最後の大冒険!ヨーロッパ3カ国 自転車200キロの旅」に未放送映像を加え、ディレクターズカットでDVD化。更に、DVDのための特典映像も収録。あと1年で20歳。今だからできること。今したいこと。それは、愛車ジャンヌ・ダルク号とともに、知らない場所を走破すること!今、未知なる冒険の扉が開く!!
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夢をかなえるゾウ
金融危機・株価暴落・実体経済への波及…
年末・クリスマスに向けてというのにひどい状況になりつつありますね。
株価は26年前の水準に戻ったというから、1982年か、CDプレーヤーが発売され、アニメ「マクロス」が始まり、松田聖子が「赤いスイートピー」を歌った頃です、だんだん。

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まだまだ夢みる時代だったですね。
まあ、「夢をかなえるゾウ」的にいえば、またもう一度、夢を見られる時代が来たのだよ。
といっても夢をかなえるには日々をきちんと生きること。
無理なことは続けられないけど、簡単な日常のことなら続けられます。
ダイエットもそうですね。
日々にはそう変わりはないけど、1年たったら大きく変わっているのだ。

夢をかなえるゾウ 水野敬也/〔著〕
税込価格 1,680円

ダメダメな僕の目の前に、突然現れた”ガネーシャ”。「自分、成功したいんやろ?」なぜか関西弁で話す、とてつもなく胡散臭い神様の教えは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。こんなんで僕は成功できるの!?過去の偉人の成功例から導き出される、誰にでも一日単位でできる超実践的な成功習慣を小説に織り込んだ、世界初の成功エンタテイメント!

夢をかなえるゾウ スペシャルドラマ 男の成功編
発売日: 2008/12/03  定価 3,990円
脳科学の進歩と負け惜しみ
理系と文系という区分けはなんとなく理解できるけど、国語が得意なのに英語がだめというのは同じ言語だし、少し理解しがたいものだった。
今や脳科学は進歩し、たとえば脳細胞は一日10万個ずつ死んでいく(この俗説は実験的根拠に乏しく、今では科学者にはほとんど信じられていないし、大人になっても新しい神経細胞「新生ニューロン」が日々生れることが確認されている)や脳は全体の10%しか使っていない、そして残りの90%を生かせば何か未知の能力があるのではないかというのも願望であって、もちろん根拠はない。
もう、出来の悪い生徒が「お前ら勉強してその程度。俺たち勉強しなくてもこれぐらい」という負け惜しみは通じないのだ。

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脳科学の成果によれば、手話と音声言語は同格であって、チンパンジーが言語を使えないのは喉が発話に向かないからという説があるけど、文法を持つ手話ができないことからも、やはり脳そのものに言語能力ないということになるらしい。
そしてなぜ日本人に外国語が苦手な人が多いのかも、日本語の理解のためにチューンアップされていて、ひたすら日本語に最適になるように言語の回路が作り込まれているからという(酒井邦嘉 東大助教授)。
チェスの世界チャンピオンのために開発されたコンピュータが将棋をうまく指せないと似ているというので、なんか、他の言語は程度の悪い汎用コンピュータみたいで日本特殊論的な誤解を招きそうで、また負け惜しみのネタが生まれたような気もします。
日本のケータイの日本仕様に特化しすぎて、海外で通用しないのに似ている?

6歳くらいまでの幼児期に外国語に触れる機会があれば、両方にチューンアップできるらしいのですが…
この歳ではなあ。
でも最近の日本人の日本語の言語感覚をみていると、日本語の理解のためにチューンアップされてもいないような気がして、ということはこれからの日本人は外国語には強くなるのかなあ。
アサギマダラの長い旅
10月24付の中日新聞によれば、長距離移動で知られる蝶のアサギマダラの記事があった。
北海道松前町から10月5日、羽にマーキングしたアサギマダラを放蝶、同月19日愛知県幡豆郡三ヶ根山で捕獲された。
びっくりしたのは14日間で800キロという距離、1日57キロを越えるもので直線ということもないから途方もない距離なのだ。
1000キロを越す記録もあるけど、日数はそれなりにあって1日当たりでは最大でも30キロ前後、まあ、たいていのデータは10キロは切っていて、そんなものなのだ。

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あのふわふわと飛ぶイメージでは10キロ近くでも驚くのだけど、ほんとうなのだろうか、過去のデータから見てもすこし突出している。その頃の天気図を見てもそんなに南風が吹いているふうでもありませんね…
と「相棒」の杉下右京なら思ってしまうような距離ですね。
いや、専門家の意見も付されているから間違いはないです、ミステリー好きの妄想ですよ。

前にも書いたけど鳩山邦夫総務大臣は蝶のコレクターとして有名で『チョウを飼う日々』という本まで出していて、佐高信に「変質者の代名詞のような蝶のコレクター」といわれなき中傷を受けた。
まったく蝶のコレクターに失礼な話ですが、蝶のコレクターがもし変り者の印象を持たれやすいとすれば?標本などの印象があるだろうか。
映画でも「コレクター」あるいは「羊たちの沈黙」もそうだったし、TVドラマ「相棒」でもあった。

「世界のゼフィルス大図鑑」は名前の通り世界のミドリシジミチョウを網羅し、幼虫や卵、生態まで含めて、さまざまな知見を集め、そのため数十年間、著者はアジアの奥地を渉猟して回ったという、蝶のアマチュア研究家小岩屋敏の超労作なのだが、一般の人からみれば、まあ理解不能だろうなあ。
昆虫の博物学について、日本のアマチュアの水準はきわめて高いらしく、これはまた突出した成果なのだが。こんなすごい人たちなので、データはもちろん尊重しなければなりません。
それにしても57キロか、風にも乗るのだろうけれど、どこまで上空に上がるのだろうか。

「相棒」の水谷豊の兄貴分だった故 岸田森はやはり大の蝶好きだった。
彼によれば蝶は優美で上品らしく、それは姿形ばかりでなく、蛾のように昼夜の区別なく飛ぶことのない節度にも美しさを感じていた。
映画「容疑者Xの献身」でも4色問題の証明が美しくないと天才数学者が言っていたけど、数式と蝶、ともに美しいものなのだ。




容疑者Xの献身
ようやく「容疑者Xの献身」をみてきました。
さすがに映画となって力の入った作品となっています。
実は容疑者の天才数学者にはもっと怜悧なイメージの堺正人あたりがいいのじゃないのかと思っていたのだけど、堤真一でよかったのだ。
フジドラマ「やまとなでしこ」の中原 欧介(堤真一 やはり天才的数学者の役で紆余曲折を経て、無事ヒロインゴールインした)と一緒なのだ。

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やはり家庭の事情で大学には残れず、魚屋を継いだしょぼくれている数学者だった。
ただ友人には恵まれていて挫折を越えていけるのだけど、容疑者Xである天才数学者 石神哲哉は孤独だった。
中原 欧介はさらに恋人にも恵まれフィールズ賞も獲得したけど、何もかもに見放されたもうひとりの中原欧介が石神哲哉だった。
まんざら荒唐無稽の想像ともいえないのは、たとえばフランスの数学者集団ブルバキの天才数学者グロタンディークはその絶頂期、数学の世界から離れ世捨て人なってピレネー山中に姿を消してしまっている。
そんなエピソードも知るすごい面白いミステリーなのでした。
ミステリー映画にストーリー説明は無用ですからね。

容疑者Xの献身 東野圭吾/著
税込価格 1,680円

ブルバキとグロタンディーク アミール・D.アクゼル/著 水谷淳/訳
税込価格 2,310円

やまとなでしこ DVD?BOX
税込価格 23,940円




「プラダを着た悪魔」リアル・クローズ」
ぼくは基本的に好奇心が強いほうだろうと思うけど、美食とファッションについてはほとんど分からない。
でもマンガや映画の世界となると、それさえグッと近づけるような気もしますね。
すこし前だけど、フジテレビで「リアル・クローズ」というドラマがあった。
槇村さとるの少女マンガが原作で、ファッション激戦区・銀座の老舗百貨店でファッションを軸に、仕事や恋愛、そして本当の美を勝ち取るため、主人公は日々葛藤を乗り越え成長していく…。
少女マンガの王道のようなドラマですね。
映画「プラダを着た悪魔」に似ているとも思ったけど、「プラダ…」のほうが日本の少女マンガの世界観に近いのだろう。

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ただかつての少女マンガはもう少し甘く描かれたりもしたから、そのイメージが強かった僕は気がつかなかったのだ。
「プラダを着た悪魔」はすこしダサい女の子がきれいになって、仕事もステップアップするような単なるサクセスストーリーではなく、女性の仕事に対する位置づけ、ファッション業界の内情もさらりとすこしカリカチュアされてはいるだろうけど、テンポよく描いています。
ダサいけどファッションなど気にも留めない、もともとジャーナリスト希望のヒロイン、アンディ(アン・ハサウェイ)の仕事に対する誠実さがいいですね。

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はじめはファッション誌なんて舐めているのだけど、もちろんどんな仕事でもやる以上は上っ面の努力だけでは駄目なのだと、すぐさま反省、理解する頭のよさ。
そして成し遂げた上で編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のエピゴーネンでない、自分を見つけるしなやかな美しい知性。
最後は逃げたのでも投げ出してもいなくて全力を尽くしたからこそ、見つけられた道ですね。
だからミランダも笑顔で送り出せるのだ。まあ本当のライバルはいなくなるわけだし…。
ファッションの世界もなかなか面白いのだった。

【DVD】プラダを着た悪魔 (ブルーレイディスク)
発売日: 2008/10/16  定価 4,935円

「家族八景」 テレパス七瀬の怒り
NHKで放送中のドラマ「七瀬ふたたび」はシリーズ3部作で第1作が「家族八景」、第3作が「エディプスの恋人」で「七瀬ふたたび」は第2作に当たります。
原作の筒井康隆は「家族八景」でも直木賞候補になったけど、当時SFは文壇では評価されず「アフリカの爆弾」「ベトナム観光公社」に続いていつも通り落ちている。

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しかし、選考委員は気ままで(もちろん、きちんと読む人もいます)ドタバタを書けば軽い、サイエンスがないと言われ、シリアスに書けば暗い、いつも軽やかさないと言われるのであればかなわないだろうなあ。
まあ、みんなそうして大きくなったといわれればそうなのかもしれないけど。

「八景とも暗すぎるというので落ちてしまった。」「老人の私は、今夜の選者は九人だが、テレパスの七瀬(女主人公)が住みこんで「家族九景」を描いたら、明るい作品が出来るだろうかと、意地わるな空想をチラと走らせたりした。」と選評したのは、いちばん明るい作風の石坂洋二郎だった。

筒井康隆は「家族九景」は書かなかったけど、のちに直木賞をからかった「大いなる助走」で選考委員(大御所作家)を殺してしまうという荒業に出た。
発行元が直木賞の勧進元の文藝春秋社というのもすごかったなあ。
伊坂幸太郎も粛々と直木賞を降りてしまった。
篤姫 DVD-BOXの発売にございます
まったく、大河ドラマにあるまじき面白さなのが、篤姫ですね。
いよいよこれからは幕末の誰もが知っている事件や著名人の活躍が始まったから、ますます目が離せないのですが、とうとうDVD-BOXの発売が決定となりました。
意外にいい人だった調所さま(平幹二郎)や女性を胸きゅんとさせた家定(堺正人)にもまた会えますね。
週刊誌などではあまりの視聴率の高さ、面白さに批判もちらほらと出るようになったけど、
「女の道は一本道にございます。定めに背き引き返すは恥にございます」と、名言を残した老女菊本ならば気にもしないでしょう。
「マニアの道は一本道にございます。定めに背き買わぬは恥にございます」
買うしかありません。

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【DVD】NHK大河ドラマ 篤姫 完全版 第壱集
発売日: 2008/12/19 定価 44,100円

薩摩藩島津家の分家の娘から徳川13代将軍・家定の御台所となり、江戸城無血開城に大きな役割を果たした篤姫の波瀾万丈の一代記。全50話のうち、第1話?27話をDVD-BOX第壱集に収録。

【DVD】NHK大河ドラマ 篤姫 完全版 第弐集
発売日: 2009/03/25 価格: 37,800円

【CD】「篤姫」オリジナルサウンドトラック
価格:  2,625円

【CD】NHK大河ドラマ オリジナル・サウンドトラック「篤姫」?2?
発売日: 2008/10/29 価格:  2,625円

(ペ)懐レア倶楽部はコチラ

武将ブームのなかで出番はあるか鳥居耀蔵
戦国武将がブームなんだってね、若い女性に。
長宗我部 元親はともかく、大谷吉継(石田三成との出会いのはまるで映画「パピヨン」のようなエピソードで泣かせる男です)なんて知らなかったぞ。
時代小説好きはもともと男のものだったけど、新撰組の沖田総司ぐらいが女性人気の始まりだろうか。
戦国時代ではなく幕末だけど。
そう、戦国時代と並んで英雄が群雄割拠するのが幕末、篤姫の時代なのだ。

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そして非情で陰湿なイメージがあまりに強く絶対、女性からの支持がなさそうなのが、宮部みゆき「孤宿の人」モデルになった鳥居耀蔵です。
鳥居耀蔵は鬼才ともいえる儒学派であり、洋学派の渡辺崋山など蛮社の獄で徹底的に追い詰めた人で、老中水野忠邦を裏切り失脚させ、のちに復権した水野忠邦の怒り凄まじく、罪に問われ家は断絶、四国丸亀藩に「お預け」つまり幽閉された。
将軍、老中が変わっても赦免されることなく、明治維新までの23年間幽閉され続けている。
一般にお預けになった武士は病気か自害ですぐに死ぬのだという。
なぜ生きながらえられ続けることができたのか、その妖怪とも言われた男の晩年の28年間の日記が「晩年日録」として残っている。

鳥居耀蔵は官吏だった頃の酷薄さと幽閉されてからの慈しみの深さは天と地ほど違ったらしいのだが、彼の原理原則は最後までまったく揺るがなかったという。
勝海舟も
「残忍軽薄甚しく、各官員の怨府となれりといへども、その豪邁果断信じて疑わず、身をなげうつてかへりみる事なく、後、罪せられて囹圄にある事ほとんど三十年、悔ゆる色なく、老いて益勇。八万子弟中多くかくのごとき人を見ず。亦一丈夫と謂うべき者か」
と言っているから嫌ってはいるけど、すげえ奴とは思っていたのだ。
アニメ「天保異聞 妖奇士」「大江戸ロケット」と鳥居耀蔵を登場させた會川 昇は興味が強くあるのだろうなあ。
まあ、悪魔のような天使は現実にはヒーローとなってはいかんのだけど。
イノセント・ラブ
フジ月9ドラマ「イノセント・ラブ」を見ました。
物語の設定が暗いのだけではなく、展開も、そしてなによりもミステリー仕立てなのでした。
第一話だし、伏線があまりに多くて展開がさっぱり読めないなあ。

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でも確かに「鉄板少女アカネ」のように健気といってもいささか無理やりなものではなく、ひたすらに耐えるようなイノセントな魂が似合いますね、堀北 真希は。
イノセントなものがほんとうの愛にめぐり合うようなとき、どのような葛藤を見せるのか…、おそらく基本的なテーマだと思うけど、ミステリー仕立てでハラハラするよなあ。
真実の名前を隠してしか生きていけないようなヒロイン秋山 佳音(堀北 真希)を見ていると、やはり真実の名前こそが最大のプレゼントだったシベール(シベールの日曜日)とも重なって(教会の風見鶏を見ると思い出すんだよ)、切なくなりますね。

宮部みゆきの時代小説「孤宿の人」では、悪霊と呼ばれた魂でさえ癒すような美しいイノセントな心を持つ少女が描かれ、そして明るく明日に向かうものになっていたけど…。

幸せな結末であってほしいなあ。
最後はこんなカレンダーのような笑顔を見たいじゃないですか・
流星の絆
「流星の絆」を見た。
原作はまだ読んでいない。
でもこういう物語だったのか。
深夜、家族に隠れ、家を抜け出してペルセウス座流星群を見に行く子供たち。
そのわずかな留守に両親は惨殺されてしまった…。
流星を見に行くという子供らしいファンタジーな行動と殺人、もうこのアイデアでストーリーは出来てしまったような気がしますね。

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ペルセウス座流星群は毎夏見ることが出来るけど、1992年前後には突然、大出現を見た。
新聞でも大きく取り上げられたりしたから、みんな見たりしたのだろう。
そんな天体・星に好奇心いっぱいの子供たちが様子が生き生きとしていいですね。
たぶん、殺人事件がなければ、この子供たちは天体・宇宙の神秘に憧れてガリレオ 湯川学になったかもしれないのだ。
重いテーマがコメディタッチでも描かれ、目の離せないドラマになっています。
主演の二宮和也をはじめ、錦戸亮・戸田恵梨香の3兄弟もいいです。

事件の夜、妹は兄とともに流星を見たいと大声で泣き出して、連れて行ってもらうのですが、眠ってしまって流星を見ることは出来なかった。

「女の子供というのは天性、花や星を欲しがるものです」とアナトール・フランスの言葉があって、「けれども星はどうしても手に入れることができません、それは小さな娘たちに、この世には決して満たされることのない願いというものもあることを教えます」と続きます。

幸せな結末であってほしいなあ。

流星の絆 東野圭吾/著
税込価格 1,785円

少女と鉄道?/堀北真希
警官シリーズで知られる作家 佐々木譲も鉄道好きを告白していますね。
さいたま市の鉄道博物館も開館1周年を迎えたのだけど、初年度の入館者数は目標の2倍近い188万人を記録した。
形はいろいろあるけど、鉄道ファンは意外に多いのだ。
堀北真希もブレイク前に鉄道ものを2本出していますね。
当時、鉄道というか廃線になった鉄道、廃墟などのブームみたいものがあって、たとえば写真家の丸田祥三は「廃墟と少女」というテーマで写真集(漫画誌でのグラビア連載だった)を出していた。

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打ち捨てられたロープウェイの宙ぶらりんのまま錆びついた廃墟のシュール感と、少女の将来への不安などが写真に写し取られる。
少女は廃墟の前で自分がここに立つ資格を悩み、つまり他者の思いが沁みわたるものへの想像力と慎み深さをあわせもつのだと丸田祥三は言う。
クイック・ジャパンで脚本家の浅野妙子が堀北真希をどちらかといえば暗いと言っているように、実は初っ端から鉄道だった。
廃墟ではないけど、そういう鉄道の風景・場所から様々な思いが読み取れる豊かな感受性と真摯な姿勢があるのだろう。

廃墟といえば、12月に「軍艦島オデッセイ ?廿世紀未来島を歩く?」というのが発売されるけど、軍艦島という廃墟に不思議に似合ったのは、やはり鈴木あみ、小西真奈美たちの少女だった(NHKドラマ「深く潜れ」)。

【DVD】その先の日本を見に。?少女と鉄道?/堀北真希
定価 3,990円

【DVD】NONFIX 堀北真希 その先の私を見に。―少女と鉄道・2005春―
定価 3,990円

【DVD】堀北真希と南海ひょうたん島10人の子供たち
発売日: 2008/12/17 定価 3,990円

【DVD】軍艦島 ダブルアンセム・パック (2枚組 初回限定生産)
発売日: 2008/12/12 定価 7,875円
楽しみな綾瀬はるかの「ICHI」
実はチャンバラが大好きなのだった
時代小説も時代劇も大好きだし、大仰な剣豪小説も波乱万丈な時代伝奇小説も大好きで、それぞれの主人公が持つ秘剣・秘術もたまらないですね。
なかでも座頭市の仕込み杖の居合い抜きは誰もが憧れ、真似たのではないのかなあ。
綾瀬はるかの映画「ICHI」もなかなか殺陣がいいらしく、のほほんとした感じなのに意外に運動神経・反射神経がいいらしいのだ。

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市川雷蔵版の「眠狂四郎シリーズ」の監督は三隅研次で陰影や構図が素晴らしく、計算されつくした動きだったりするけど、綾瀬はるか版「ICHI」はどうだろうか。

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さらにミーハーなぼくは「カムイ伝」でも変移抜刀霞斬り・飯綱落としなどに忍び技にも憧れた。
「眠狂四郎」「素浪人月影兵庫」「燃えよ剣」など時代劇を見たり読んだりすることで、いつもの脳内妄想でたちどころに剣の達人になるのだった。
剣術の流派は一刀流、陰流、霞流、示現流、二天一流、宝蔵院流、新陰流、京八流、柳生新陰流など戦国時代だけでもいっぱいあるのだが、のちにぼくが密かに編み出した秘剣「位相微塵斬り」は、名の通り、見えざるものを斬るという秘剣中の秘剣です。
見えざるものを斬るので、斬れたかどうか確認が出来ないのが利点でもあり、難点です。

探偵ガリレオこと、物理学科助教授 湯川学に解明できるだろうか?
ガリレオシリーズ新刊「聖女の救済」の真相は虚数解というからなあ。


堀北真希 20歳
月9ドラマ「イノセント・ラブ」の放送を前にして、堀北真希の特集本、写真集の発売と続きますね。
写真集はもう売り切れだったりもするけれど、クイック・ジャパンの特集本はご存知ですか?
堀北ファンには必携の一冊です。
デビューから現在までロングインタビューで語られています。
「鉄板少女アカネ」もほんとうに頑張ったのだ。健気だ。
「イノセント・ラブ」の脚本の浅野妙子は「恋する日曜日 私。恋した」「東京大空襲」で堀北真希を知ったというから、いいドラマを書いてくれるに違いない。
またチープな「逆境ナイン」がなければ「3丁目の夕日」の六ちゃんはなかったかもしれないと思うと、毎日を誠実に生きる女優なのだろうなあ。

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クイック・ジャパン Vol.80
堀北真希/『モヤモヤさま?ず2』

税込価格 945円

【FEATURES.1】◆堀北真希 20歳――今、感じていること。ロングインタビュー「年齢を重ねるほどに、辛いことや悔しいこともいいことに変えられる気がするんです」秘蔵オフショット・コレクション シリーズ連載「昨日のこと」特別篇 第8回・堀北真希(撮影=アミタマリ)・・・他

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S 堀北真希写真集
ND CHOW/〔撮影〕
税込価格 2,940円

魂が揺さぶられる!堀北真希の衝撃写真集。大河ドラマ「篤姫」での皇女・和宮役が話題、フジの月九では本格派ラブストーリーに主演!今いちばん旬の女優・堀北真希が20歳のメモリアルに、誰も見たことのなかったスリリングな写真集をリリース。シースルー&網タイツ、ウィッグ、ウエディングドレス、そしてギリギリまで限界にチャレンジした衝撃的なセクシャル・フォト…。これまでのイメージとは一線を画した”大人の真希”がぎっしり詰まったセンセーショナルな写真集は、今年いちばんの話題になること間違い無しの一冊!
名優 緒形拳
俳優の緒形拳が亡くなってしまった。
代表作は『鬼畜』『復讐するは我にあり』『楢山節考』ということになるのだろうけれど、いずれもテーマが重く、ぼくは積極的に見ることが出来なかった。
『鬼畜』で懲りてしまったのだ。
TVでも「太閤記」「必殺!仕掛人」などドラマでは欠かせない人で、存在するだけで作品力が上がってしまうような感覚さえありますね。
画像は映画化になった「必殺仕掛人 春雪仕掛針」。やっぱり、かっこいいでしょう。

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最近のTVドラマでは「瑠璃の島」が思い出されますが、追悼TVドラマもやっていて「ディア・フレンズ」を見た。
ロード・ムービーな作りになっていて、すこし「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」のような感じのドラマで、こういう孤独で切なくやんちゃな老人が上手いです。
遺作となった「風のガーデン」の第2回放送は今日です。



天文学に貢献する企業
ノーベル物理学賞受賞で脚光を浴びた素粒子物理、宇宙の根幹を探るものですが実利的科学とは程遠いものですね。
そのもっとも実利と縁遠い科学である天文学?の発展はまたそれにふさわしい浮世離れした科学者やマニアに支えられてきたし、企業だってそうなのだ。

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たとえばキヤノンオプトロンは100億光年離れた星の光も分析できる天体望遠鏡用の巨大なレンズを製作した。ガラスより高性能な蛍石製で1枚が直径40センチ、重さ20キロ。地球から見た様々な銀河の分布を示す宇宙地図を作成するのに使用されるもの。
米スミソニアン天文台から1991年に受注、15年かけて完全納品した。
従来のガラスレンズでは20億光年までしか分析できず、要望に応えるために蛍石レンズとなったが通常は大きくても25センチ前後、大きいほど製造が困難なため受注する会社がなく同社が引き受けたといいます。
蛍石のかけらを溶かす専用の大型電気炉の導入から始めたというからすごい。
生産性のない効率性のみの収益を得る事業が脚光を浴びるなかで、やはり製造業はえらい。
それにしてもレンズに15年ですよ、さすがに天文学、発注する学者も受注する企業も天文学的時系列で動いてる?
年末に向けて綾瀬はるかがいっぱい
すこし前のTVドラマですが「ホタルノヒカリ」の発売が決定しましたね。
若手女優の躍進が目覚しいけど、綾瀬はるかの活躍の幅の広さは注目に値します。
今年だけでもTVドラマでは「鹿男あをによし」、映画では「僕の彼女はサイボーグ」「ザ・マジックアワー」そして10月、11月と公開を控える「ICHI」「ハッピーフライト」と話題作・注目作が続きます。
幅の広さに繋がったのはこの「ホタルノヒカリ」だったような気もしますが…。
役柄も様々だし、アイドル的存在から作家性をも刺激する女優に変貌しつつあるのかもしれませんね。
意外にアイドル好きの週刊文春にも天然豊乳 綾瀬はるかを追う、ゲイ人気 上野樹里とあって、この二人、男にも女にも、そしてそうでない人にも人気なのだとありました。
役者冥利につきます?

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某社のDVD予約ランキングでも「僕の彼女はサイボーグ」「ザ・マジックアワー」「ホタルノヒカリ」といずれもベストテンに入ってますね。
「鹿男あをによし」も発売されて3ヶ月も経つのだけど、根強くロングセラーにもなっています。

【DVD】僕の彼女はサイボーグ スペシャル・エディション 2枚組
発売日: 2008/10/17 定価 6,090円

【DVD】ホタルノヒカリ DVD-BOX
発売日: 2008/11/21 定価 18,060円

【DVD】 ザ・マジックアワー スペシャル・エディション
発売日: 2008/12/03 定価 5,985円

【DVD】鹿男あをによし DVD-BOX ディレクターズカット完全版
発売日: 2008/07/16  定価 23,940円
女の子供というのは天性、花や星を欲しがるものです
今年大ヒットした「花より男子ファイナル」のDVDの発売が決定しましたね。
6月下旬の公開からのロングランで、「崖の上のポニョ」を除けば今年の邦画No1なのだ。
長くやっているのは出来・評判がいいに違いなく、テレビドラマも好きだったので安心して見に行ったのだけど、ぼくにとっては意外に面白くならないなあと思っていたら、最後まで見てようやく分かったような気がした。
これはやはり女性の、女の子の夢の物語なのだ。まあ、いまさらなんだけど。
それに徹した作りで、まさに女子に映画な映画だったのだ。

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ところでジェンダーフリーとは、文化的・社会的な「男」「女」の性のイメージや役割であるジェンダーにとらわれず、個々人それぞれが自分らしく個人としての資質に基づいて果たすべき役割を自己決定出来るようにしようという考え方で、学校教育にも取り入れられています。
アナトール・フランスの「少年少女」には「女の子供というのは天性、花や星を欲しがるものです」とあって、なかなか手強いジェンダーの敵ともいうべき言葉ですが、続けて「けれども星はどうしても手に入れることができません、それは小さな娘たちに、この世には決して満たされることのない願いというものもあることを教えます」とあるのだ。

思えば「花より男子」も「篤姫」も女の子の夢に溢れ、星も手に入れてしまう物語なのだ。
村上春樹
さすがにノーベル文学賞とまではいかなかったけど、まちがいなく有力視されているのが村上春樹。
村上春樹は日本を代表する作家だけど、海外での人気ぶりもすごいらしい。
日本の小説はミステリー、ファンタジーなどエンタテイメント系も海外での評価も上がっているけど、村上春樹は現代文学ですからね、国の内外を問わず売れるところがすごい。
ぼくが初めて知ったのはATGの映画「風の歌を聴け」を見てからだった。

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「ノルウェイの森」が時代性ともあって大ベストセラーになって以来、一般にも広く認知されて文学的評価も福田和也など極めて高く、過去にも国際的な「村上春樹シンポジウム」も開かれている。
シンポジウムでは「ダンス・ダンス・ダンス」にはドストエフスキーとの接点も見え、映像・音楽・文章が三位一体になったまったく新しい文学とロシアのドミトリー・コヴァレーニン氏が絶賛したり、またフランツ・カフカ賞の受賞は、川端康成、大江健三郎につぐノーベル文学賞を予感させます。

それにしても「海辺のカフカ」「スプートニクの恋人」「ねじまき鳥クロニクル」など思わず手に取りたくなるうまい作品名ですよね。
サリンジャーだって「ライ麦畑でつかまえて」という作品名に惹かれて読んだのだった。
大島弓子にも「ミモザ館でつかまえて」というのがありますね。
オワンクラゲ
すごいですね。
今度はノーベル化学賞受賞の下村脩ボストン大学名誉教授。
地方医大の出身というのも勇気を与えてくれます。
しかしオワンクラゲか、クラゲで思い出すのはエチゼンクラゲかメメクラゲくらいなのだけど。
これも数十年前の業績で、基礎科学ってそういうもので分野を越えたような新たな発展によって、過去の基礎研究が脚光を浴びるような構図です。
化学というと怪しげな錬金術に始まるけど、新たな物質の発見はもちろん、科学的史観を持って「物質」そのものを変えるのではなく、「物質」に新たな可能性を見出すものなのだなあ。
下村先生は「日本の女の子は頑張っているが、男の子はちょっとよくない」とも言っていますね。

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秋田大学「ロケットガール養成口座を立ち上げた同大学ものづくり創造工学センター秋山演亮助教授も「先生がロケットを作っても生徒はワクワクしない。同じ大学生、高校生が打ち上げたと聞くと目の色が変わります」「ましてや女子高生であればもう理系は大騒ぎさ」と言っていました(後段はフィクション)。
まあ、科学の進歩はこういうところからも始まるのだろうけれど、今や男の子の動機付けを越えて科学の発展そのものも担ってしまうのかもしれない。

混沌の王、混沌の子供たち
顔の造作のない帝王「混沌」は7つの穴(目・耳・鼻・口)を彫ったところ、混沌は死んでしまった。
「目鼻が付かないう白ちがいちばん面白い」とノーベル賞を受けた湯川秀樹博士が作ったのが「混沌会」で、会では「荒削りでも将来発展しそうなアイデアを大事にした」らしく、理論的不備をつく指摘には、湯川は「ここはアイデアを議論する場だ、つぶすのが目的ではない」と席を蹴って退出した。
「ぼくらは難問に挑んでいるんだ。多少のほころびはあっても志の高さを評価しよう」というのだ。
「物理は一つ、自然は一つ」。これも当時の物理学が素粒子・宇宙論・物性などへの専門化が始まろうとしており、湯川は「自然は(研究領域ごとに)別々に動いているわけではない」と忌み嫌ったという(日経新聞)。

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今度のノーベル物理学賞受賞者達も湯川博士の名を上げていたから、混沌会で議論をした人たちなのだろうか。
いちゃもんの益川先生(とご自分で言われていた)は大学に残っているから、そういう役割、理系の面白さ・科学の発展を願うのでしょうね。
日本のノーベル賞といえばまず物理学、とりわけ1970年代までは5つのノーベル賞のうち3つが物理学賞だったのだ。
あらゆるものが細分化した現代、目鼻をなんでも付けたがる時代、死んでは元も子もないよなあ。
まあ、サブプライム問題のように目鼻がしっかり付いていたはずなのに、実は混沌であったというのも困るけど。
いつまでも目鼻が付かないものであるからこそ人間なのだろうし、いつまでも目鼻を付けたくて頑張り続けるのも人間なのだろうか。
益川先生が嬉しくないと言ったのは、目鼻の付いた成果に対しての受賞だったかもしれない。
やっぱり素粒子! ノーベル物理学賞
ノーベル物理学賞を授賞した高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授(64)と益川敏英京都大名誉教授(68)・京都産業大教授は「小林・益川理論」による素粒子物理学。
南部陽一郎シカゴ大学・エンリコ・フェルミ研究所名誉教授・大阪市立大学名誉教授(87)は「対称性の自発的破れ」という概念の提唱で(素粒子の質量起源を示すもの)、どちらも日本の素粒子物理学の成果で嬉しいニュースです。

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麻生首相が早速、受賞を祝福する電話をかけていたけど、益川教授が言っていたように自然科学・基礎科学って、実利的成果にはなかなか繋がらないから文科省の予算もあまりないんだよね、たぶん。
まあ、理論物理はノートと鉛筆があれば出来るけど(もちろん、才能も)、実証というと大変です。
素粒子に関しては湯川秀樹以来の伝統で最先端にあるから、今年ついに始まったフランスでのアトラス実験への参加とか、神岡のスーパーカミオカンデなど比較的恵まれているのかもしれない。
そういう流れもあるから、益川教授が受賞も予想できたということなのかなあ。
南部先生は「子供の科学」で興味を持ったらしく、益川先生もインタビューでもきちんと答える人で、これからの若い研究者・子供たちにかける言葉もちゃんと区別して答えていました。
研究者は志は高く、ステップは地道に。子供たちには好奇心を、そして好奇心を潰さない環境を。

学研の「大人の科学」も付録が楽しい。
映画「容疑者Xの献身」の追い風ともなるのだろうか。
時はめぐる「七瀬ふたたび」
NHKの少年ドラマシリーズの第1作はは筒井康隆の「タイムトラベラー」(原作「時をかける少女」は映画・ドラマ・アニメとくり返し映像化される青春を描く名作となった)があまりに有名だけど、やはり筒井康隆のSF小説「七瀬ふたたび」も主演 多岐川裕美で同ドラマシリーズのなかで制作されている。
そしてやっぱりNHKはSFが好きなのだ。
ふたたびNHKで「七瀬ふたたび」が始まるのだけど、今度は木曜8時枠の本格ドラマだから、より楽しみになりますね。

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ヒロインの七瀬には蓮佛美沙子(17)で10月9日スタート。
原作の前シリーズ作「家族八景」とはまったくちがう展開に向かうのだけど、超能力者というマイノリティの切なさに溢れてもいて、ハードボイルドな展開にもなるのだろうか。
SFファンも当時はマイノリティだったから、重ね合わせていたところもあるかもしれませんね。。
オタクもマイノリティだったはずだけど、とうとう総理大臣も農水大臣(前防衛大臣)も生んでしまった。
マンガ・アニメ・SF、そして少年ドラマシリーズの存在は大きかったのだ。

七瀬ふたたび 新潮文庫 筒井康隆/著
税込価格 540円
経済・文化の生物多様性
何度も取り上げてしまう生物多様性の問題は、サミットでも重要なテーマであるけど地球の自然環境ばかりに視点があって、人類あるいはそれの関わる経済・文化などの多様性の視点にはすこし無頓着ですね。
「本は生まれる。そしてそれから」 (小尾俊人著)がいうように大衆社会とか、グローバリゼーションとか、均一化された世界市場とか、そうした方向づけは、間違っています…という主張は少なく、すべての辺境から都市の個人もインターネット等によって情報が等質に伝わり、固有の価値観の形成が難しくなり、経済も世界市場に向けないと生き残りが困難で、グローバリゼーションというのは公平・均一かもしれないけど、生物学的にいえば種の保全、多様性が弱体化しているということにはならないのだろうか。

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グローバリゼーションは情報・富の公平化でもあるかもしれないけど、かたや保護・隔絶し多様性を守らなければ、ガラパゴスなどの希少生物も白神山地のブナの原生林も守れない。
世界自然遺産・文化遺産の指定はその意図を持つけど、科学的、あるいは政治的スタンスとしては生物多様性は、この世界で守らなければならないひとつの価値に過ぎないし、最重要の価値でもない。
美しい地球を守るためには生物多様性にも目が向くけど、意外に日々を過ごす経済・文化的多様性は目先の享楽・利益が優先されて見失っているのかもしれないですね。
金融危機も合理化・グローバリゼーションが過度に進みすぎたのかも知れず、もともと多様性を守るということは目先の利益・合理性を否定することでもあるからなあ。
でもそれが最終的にもっとも合理的になるのだろうか。

画像は去年、25年ぶりに自然環境が調査された小笠原諸島の南端に位置する無人島の南硫黄島。
他の地域と隔絶し、人の手が触れなかったこの孤島は、進化の研究にふさわしく独自の生態系を保っている。見ての通り、わずか直径2キロメートルの土地に、なんと916メートルの山がほぼ円錐状にあり、平均斜度は45度、海岸線は断崖絶壁が続いて、上陸ポイントもままならない人を寄せ付けない孤島なのだ。
今回もカタツムリなど多数の固有種が見つかった。



「巨船ベラス・レトラス」にみる出版文化の危機
若い読者は筒井康隆のことを「時をかける少女」などのジュビナイルSFの原作者、あるいは俳優くらいに思っている人もいるかもしれないけど、実は何を隠そう、名を隠そう文学界の大家なのであった。
筒井康隆の「巨船ベラス・レトラス」は危機に瀕する文学界・出版界、作家・編集者、あるいは読者の質にまで触れる超問題作だった。

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ネットの時代は作家もそうだけど、読者もこのブログのように読み手の良し悪しを越えて自由に発信できて、発信者に力があったりすれば売れ行きさえも左右します。
いくら強い支持があっても故小島信夫のように固定読者数千部(もっと少ない?)では編集者も動かず、文学シーンをもう変えていくことは出来ないし、書店の棚にさえ並ばないのかもしれない。
でも作家が読者の質に触れるのはすごいですね。アンタッチャブルな領域です。
書店が読者・顧客の質に触れるようなもので、危機に瀕するのは文学界・出版界、作家・編集者、そして書店あるいは読者の質に至るまであり、またそのどこかに新たな可能性も見つかるのだろうか。
書店はこれでいいのか?「本は生まれる。そしてそれから」
書店の現状は厳しい。
とりわけ地方の中小零細書店は厳しく、もう残りうることが出来ないかもしれない。
岐阜でも老舗書店チェーン「自由書房」が本店の閉店が決定した。
もちろん近くの岐阜高島屋自由書房EX店に役割を引き継ぐものとはいえ、これで岐阜市中心部の神田町通りにあったやはり老舗書店大衆書房(2003年閉店)と並んで、岐阜の文化の礎となってきた本店がなくなってしまうのだ。
都市型大型書店の台頭はロングテールなマイナーな書籍も手に入り易くなっているかもしれないけど、なにか映画のシネコンの普及のように映画館数は増えたけど、実際は大作で占められて意外に見ることの出来ない状況は変わらないような、むしろ個性的な上映館、封切りでない二番館が淘汰されたことで、ほんとうの映画としてはどうなのだろうという気もします。
でもそれで間違いなく映画人口は増えているのだけど。
書店の状況はどうなのだろう?

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みすず書房は学術書などの良心的出版社の典型だけど、やはりなかなかジレンマがあるらしいのを示唆するのは「本は生まれる。そしてそれから」(小尾俊人著 みすず書房創業者)。
出版文化への限りないオマージュでありながら同時に、それは、出版文化の現状にたいする反オマージュ、否定の上に立っているのだという。 

「さまざまなメディアの出現によって、洪水のように情報が溢れ、情報の取捨のなかに迷いこんだ社会は、大きな人間疎外状態に置かれております。大衆社会とか、グローバリゼーションとか、均一化された世界市場とか、そうした方向づけは、間違っています。インディヴィデュアル(分けることのできない最少単位)である、人格の「個性」を、「本」と親しむことによって、磨きたいものです。「そして、それから」が初まります…」
とは著者の言葉。
うーむ、そうかもしれないけどほんとうにむずかしい。

本は生まれる。そしてそれから (小尾俊人著) 税込3990円

カポーティの冷血、ヒース・ロジャーのダークナイト
オードリー・ヘップバーンの映画「ティファニーで朝食を」でもよく知られる原作者のトルーマン・カポーティ。
実際の一家4人殺人事件を題材とした「冷血」はノンフィクション・ノベルの傑作と言われていて、読みたいと思っていたけど結局手が出ず、読まずに来てしまった小説ですね。

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以前に日経新聞のシネマ万華鏡で作家後藤正治が映画「カポーティ」を紹介していて…。

取材の過程で犯人の一人ペリーはカポーティと同様に出自と育ちに複雑な事情を抱えていることを知り、カポーティは言う、「ペリーは裏口から出て、俺は表口から出たんだ」。
カポーティにも冷血はあったのだ。
「冷血」を書いた後、彼は小説書いていない。
取材とは材を取ると書くが一方的に取ることなどありえない。
死刑執行まで見届けた作家はまた全身に返り血を浴びた。
書けなくなって当たり前なのだ…とはノンフィクション作家ならでは見方です。

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ノンフィクションでなくても、たとえば筒井康隆は「パプリカ」を書いていて白髪になったと言っています。
フィクションであっても他人の精神世界を覗くような行為もリスクはあるのだろう。
映画「ダークナイト」でジョーカーを演じたヒース・ロジャーも映画の公開持たずに薬物中毒で事故死してしまった。
ジョーカーはたしかに尋常でない迫力があった。
役作りを越えたようなダークナイトに迷い込んでしまったのだろうか。

【DVD】ダークナイト 特別版(2枚組)
発売日: 2008/12/10 定価 3,980円

【DVD】ダークナイト BATPODプレミアムBOX (ブルーレイディスク 2枚組 初回限定生産)
発売日: 2008/12/10 定価 7,980円
邦画ブームを支えるのは誰か?
邦画のブームが続いていて、今年も洋画を上回る勢いが続いています。
ずいぶん前だけど、日経新聞に「邦画を支える蓮實門下生」という図解入りの記事があって、わかりやすく面白いのですこし長くなりますが引用、紹介します。

蓮實重彦は映画批評家で仏文学者、東大総長も務めた。
彼が70年代から90年代にかけて立教、東大で行なった映画の授業は今や伝説となっている。
たとえば「未知との遭遇」を取り上げて「何が見えましたか」と一人一人に尋ねていく。
ある学生は「特撮が素晴らしかった」と答えた。
「特撮はどこに映っていましたか」
「円盤が浮き上がっていたのは特撮だと思うのですが…」
「どうしてそれが特撮と分かるんですか、本当の円盤かもしれないじゃないですか」
「でもパンフレットに特撮と書いてありました」
「それはパンフレットに書いてあって、映画には映っていないですよね」

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ドン・シーゲル、ロバート・アルドリッチ、神代辰巳、曽根中生、ヒチコック、小津安二郎など幅広く取り上げ、映画を見に行かせ、翌週「何が見えたか」を徹底的に問いかけるのだ。
「勇気」「友情」などと答えると「勇気はどこに見えたんですか」「友情は画面のどこにありましたか」突っ込まれる。100人を越えていた受講者はあっという間に20人ほどに減った。
「扉が5回見えました」などと答えると「はい、そうでしたね」と受けて扉、カーテン、階段といった具体的事物をめぐって、膨大な映画史の知識で論じ、学生は圧倒され「いかに見ていなかったか」を悟る。
見えるものしか語らない蓮實のポストモダン批評は、先入観を排し、ありのままに映画を見ることを強いる。
「どのように見ればよいか」ではなく「どのように作ればこうなるか」を唯物的に語り、それは「映画を撮ったことのない人が、作る側の視点で語る」(万田邦敏)、「映画を学ぶ姿勢から、撮るという発想に変わった」(周防正行)と多くの映画監督を生んだ。
「変だと感じたらそれは重要だと思う感覚」「何を撮るのか、撮らないのか、どこにカメラを置くのか」など多くを学んだ監督が今の邦画の一翼を担っている。
蓮實重彦の授業を受けた主な映画監督。
周防正行、塩田明彦、黒澤清、万田邦敏、青山真治、富樫森、小中和哉、篠崎誠、
中田秀夫、豊島圭介…などこれからの活躍が期待されます。
もしその教室に小倉優子がいたら「そこに勇気が見えるじゃないですか」とか言いそうだけど。

画像はその門下生塩田明彦の「カナリア」。
谷村美月のデビュー作でもあります。