理系・文系を重ねて見る光景は
138億年かけても解読できない暗号通信技術
株式会社日立製作所(以下、日立)は13日、LANケーブルでインターネットに接続された環境において、事実上暗号解読が不可能なほどの高い安全性を実現する暗号通信技術を開発し、技術を搭載した通信装置を試作したと発表した。(中略)オープンネットワークを介して試作機の通信実験を行い、乱数および暗号化されたメッセージが一般の伝送路を介して送受信可能なことを確認。今回の試作機では共通鍵の長さは1900ビット、全数探索数は10の572乗となり、宇宙年齢の138億年を使っても解読が困難なレベルの安全性を実現したとしている。(クラウド Watch)

日立製作所は以前にもフラスコなどに使われる石英ガラスにコンパクトディスク(CD)並みのデータを3億年以上保存できるという、いわば半永久的にデジタルデータの保存が可能な技術を開発していて、経年劣化なく保存が可能なため、歴史的に重要な文化遺産や公文書など後世に残したいデータの長期保存用に売り込みたいとしていた。
今度は宇宙年齢の138億年か。

以下再録を含みます。
とうとう人類の科学レベルは地球史、宇宙史レベルまで残せるものを作り出したか。
でも先史文明はもちろん、文字だって失われれば意外に近世の文明だって謎となってしまいますからね。
あとはデータ読み取るべき文明に遭遇するかどうかです!?
某口伝秘史によれば正倉院にはいまだ謎に包まれた未公開の秘物・宝物があるとも言われ、もし江戸時代に光ディスクなどが公開されてもおそらく鏡としか理解されないように、意外にありきたりのようなものでも、実は…なんてこともありえそうです。
3億年前といえば古生代の頃だけど、その地層にはアンモナイトの化石だけでなく、石英ディスクが埋まっているかもしれない。

akuerion.jpg

「一万年と二千年前から愛してる…1億と2千年あとも愛してる」というアクエリオンの歌も絵空事ではなくなるのだが、まあ、異性の気持ちって時を越えて一瞬で分かり合える時もあれば宇宙年齢をかけても分からないこともありそうで、やっぱり人間は、そして恋愛はすごいことなんだよ。宇宙そのものだ。
しかし、忘却という安全装置がどんどん取り外されていくなあ。
いいのだろうか。
スポンサーサイト
生物遺伝資源大国の日本は文化遺伝資源大国
まだ、引っ越しの整理が慌ただしく、一部、以前のブログから。
海洋研究開発機構などの研究チームの調査によればバクテリアからほ乳類までの全海洋生物のうち、約14.6%が日本近海に存在するらしい。
全海洋容積で約0.9%しかない日本近海にこれだけ多様な種が存在するのは、南北に長く亜熱帯から亜寒帯までさまざまな水温や潮流があり、多様な地形、あるいは海底火山など多様な環境が広がっているからですね。
まあ、その分、自然災害も多いけれど。
全生物種でいえば、さらに世界で175万種の生物が確認されていて、多くは東南アジア、南米などに分布し、国土が南北に長く海洋にも恵まれた日本にも、やはり面積の割には多様な生物種(全生物種の5%)が存在するという。
また島国という構造のゆえに固有種の比率も高く、いわば生物遺伝資源大国なのだ。

DSC_0440.jpg

最近はあらゆる資源の争奪戦が激しいですが、いずれというか、すでに生物遺伝資源の重要性も大きく浮かび上がってきます。
一方で、文化の多様性には無頓着なところがありますね。
すでにグローバル化のなかで少数言語・伝統などは加速度的失われつつあり、自然科学でない分、証明の難しい文化などは余計に失われやすいのかもしれない。
もう日本でも一部のグローバル化のなかで生きる企業は社内の公用語を英語にするなど、グローバル化には対応するけど、過去から積み重ねられた独自の文化からは離脱するものですね。
でもまた、こういうグローバル企業が生物多様性の保全に熱心だったりするから複雑だ。自己矛盾からくる自己保全なのかな?
今でも文化は失われ、また新たに生まれてくるけれど、今、危機なのは世界があらゆる意味で均一化しつつあるということ。
多様さは効率の経済原理の元に捨て去られる危機にあるのだ。
こんな時代だからこそ、生物だけでなく文化などの多様性、独自性、固有性にも目を向けてほしいものですけどね。
生物遺伝資源はデータベース化出来るけど、文化の遺伝子は証明も保存も困難で、失われたらそれでおしまいなのだから。

画像は腐海の生命の謎の研究に勤しむナウシカ。

テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術

レーザーディスク、わずか10年の輝けるとき
荷物の整理は本やポスターなど映画関連以外にも結構あるのがビデオやレーザーディスク。
レーザーディスクは1981年に国産初の家庭用光学式ビデオディスク「レーザーディスク・プレーヤー」(パイオニア)」が発売され、しばらくビクターのVHDと規格争いをしていたけど、アニメファンの支持を受けて勝利した。
DVDやブルーレイのように一般化とまでは行かなかったけど、アニメ・映画ファンには相当に浸透したはずで、それでも普及率は10%に満たなかった。
1996年にはもうDVDが登場してくるから、実質的な普及の時は10年くらいなのだ。
電子機器そのものに本来の機能があるものはいいけど、電子機器(ハード)と映画・アニメ・本などのコンテンツ(ソフト)が揃って成立するものとしては、永遠性の高いソフトがハードの寿命に付き合わされるようになってしまった。
LDとVHDというささやかな規格争いの中でも、戦略に左右され、VHD専用ソフトみたいにLD化されなかったのもあったからなあ。
もちろん、それでも新しいハードによって、ソフトも新たに命を吹き込まれるのではあるのだけど、それにしてもレコードの時代は50年単位で続いたのに、文化財産ともいえる映画やアニメ、ドラマなどのソフトが10年で入れ替わる時代。
就職時に買った、やはりパイオニアステレオTX-7600ともお別れだなあ。
おお、わが青春のパイオニア。
本なんかの紙媒体は何世代も引き継ぐことが出来るのにね。まあ、こちらもやはり心配ですが。
またハードに寄りかかる分、これらの文化は突然、断ち切られる、失われるリスクも大きいかもしれない。
新しいハードに受け継がれるとは限らず、その時に消費されておしまいということもあるのだろう。ポトラッチのように。

DSC_0442.jpg

ポトラッチとはネイティブ・アメリカンによって行なわれた消費や贈与の儀式で、ばかばかしい非生産的消費なので、近代社会においては未開扱いになってしまうのだけど、バタイユはこれらの活動は人間の生にとって手段であ り、人間の生の真の目的は非合理的な非生産的な消費(消尽)にあると言った。
非合理的で非生産的な消費とは 奢侈、戦争、祭典、豪奢な大建造物、遊戯、見世物、芸 術、快楽としての性などらしいのだけど、こうしてみると確かに人間にとって切っても切り離せないものような気もするし、合理的といっても突きつめていくと、結局、非合理的みたいな。
近代社会は合理的で生産的であったはずだけど、実はポトラッチしているような。

画像はもう見ることのないレーザーディスクソフトの一部。
取り外したままのハード、まだ使えるのかなあ。これもどうしよう。
個体はぜん動、流体は脈動をもって 自然に学ぶ
人の消化管の「ぜん動運動」を応用してロケットなどに使われるゴム状の固体燃料を効率よく作る技術を、中央大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究チームが開発した。大腸を模した装置のゴム部分が伸びたり縮んだりして燃料を混ぜ合わせるもので、この方法で作った燃料でロケットのエンジンの燃焼実験に成功したという。
固体燃料は従来、原料を窯に入れてミキサーのような機械で混ぜ合わせた後に取り出し、別の容器に入れてロケットなどに装填(そうてん)される。このため、一度に混ぜ合わせる量に制限があったり、窯などに取り出し切れない燃料が残ったりした。また、金属製の羽根が摩擦で火花を起こし発火する危険性もあった。
チームでは、人がとった食べ物がぜん動運動で消化管を移動する仕組みに着目。直径約6センチの筒の周りにゴムの膜でできた人工筋肉を張り、空気を送り込んで筒を収縮させ、ぜん動運動を再現した。試験の結果、ぜん動運動によって筒の中の材料がよく混ざり、できた燃料も効率よく絞り出された。(毎日新聞)

宇宙機関のJAXAと消化器官のぜん動運動がこのようにつながるのだね。
しかし、まあ人間の身体って血液や食べ物などを実に効率よく運ぶのだなあ。
以前にも長い管のなかに水や空気の流体を効率的に流すのには、常識とされた一定の速度を保つのではなく、心臓から血液が送り出されるようにドクン、ドクンと脈動させた方が効率がよく、最大で58%の流体の輸送にかかるエネルギーを節約できるのだという記事(東京農工大 岩本薫特任准教授)があったけど、固形物はぜん動運動なのか。
人間の身体はつくづくよくできている。
稲垣足穂は人間の本質を口から肛門という空洞に見立てた(その周りに骨、肉、血管が取り巻いて皮で覆われたのが人間、つまり人間の中心は空洞なのだ)という「A感覚とV感覚」という怪作を書いているけど、なるほど、血管も消化器官もかくもよくできているとなれば、こういう発想もあるかもしれない。

img60142055.jpg

あらゆる工場群には数々の配管がなされ流体物が効率よく運ばれ、ふつう配管を流れる水は管の中心のほうが流れが速く、内壁に近いほど遅くなる。ゆっくりとした流れであれば問題はないけど、速くなればなるほど中心と周辺の流れの速さの違いが大きくなり、渦ができ、流れが乱れてしまう。
この乱流を防ぐために内壁に突起物をつけたり、化学物質を混ぜたり工夫されてきたけど、この脈動を適切に与えれば、どんな流れも乱流を起きにくくし、摩擦もぐんと減るという。まだ流体理論では説明できないらしいけど。
まったく、自然の創造物は限りなくよく出来ている。
原発も冷却機能が重要な役割を占めていたりするから、冷却水の配管などが至るところに結ばれていた。
でも人間の血管のように有機的にうまく機能しなかったのは福島原発のとおり。
謙虚に自然に学ばなければいけないのだろう。地球はゆっくりと、あるいは劇的に生きているのだ。
巨大な固定資産と膨大な人的資源が有機的に結合して成り立つ鉄道
「笑神様」鉄道BIG4に新たに参戦したのは上野耕平(サックス奏者)。いや、鉄オタも奥が深い。
もう長く鉄道ブームも続いているから鉄ちゃんも鉄子もよく知られるようになったけど、それでも鉄道事業全体を俯瞰するようなものまで興味を持つ人は多くはないだろう。タモリくらいでしょうか。
さて、「鉄道の百科事典」 の紹介には

鉄道は、土木、機械、電気、システムなどの要素技術が複雑に絡み合って鉄道独特のハードウェアを構成しています。さらに、鉄道の運営には多数の鉄道係員が関与し、彼ら一人一人が任務に任務を遂行し、一糸乱れぬチームワークを発揮して、安全確実な輸送を実現しています。鉄道企業は沿線開発にもかかわることもあり、”鉄道”とは巨大な固定資産と膨大な人的資源が有機的に結合して成り立っている非常に巨大なシステムとも言えます。

とあって、たしかに線路を引き、車両を単純に導入すれば簡単に出来上がるものではなく、日本の隅々まで張り巡られた鉄道網、大動脈 新幹線などは幾重にも膨大に積み重ねられたもの上に成り立つのだ。
といってもグローバルな時代、鉄道も今後は上手く切り分けられて導入されていくのだろうけど、それでも先人たちの膨大な努力、検証のゆえにそれも可能なのだと理解しないと、先の新幹線の台車の亀裂のような重大インシデントが発生しかねません。

tetudou.jpg

電力、通信事業などもそうで、たとえば電線や電話線は電柱によって日本のすみずみまで行き渡っていた。
今のケータイはもう有線を必要としないから大きく発展から遅れた途上国では、そういう膨大なインフラを経ずに先進国と同様なケータイ社会が築かれつつあり、きわめて効率的に飛躍的に向上するけど、そういうステップを経ないことはほんとうに合理的なのか、なにか大きな欠落を抱えているのか。
巨大な固定資産と膨大な人的資源が有機的に結合して成り立ち、大いなる時間をもちえてというなら、日本文化も多様な自然環境と膨大な人的資源が有機的に結合して成り立ち、大いなる時間をもちえての文化であって、ゆめゆめおろそかにしてはいけません。まあ、地球・自然というシステムがまずそれですものね。
あまり目先のことばかりに目を奪われているといずれ大きな欠落が巨大な穴となって社会を、人を落とし込むかも。
名鉄のパノラマカーの警笛音メロディ久しぶりに聞いたなあ(笑神様)。

鉄道の百科事典
技術面のみならず、企業経営面まで、複雑多岐にわたる鉄道の構成要素と機能を豊富な図表を用いて分かり易く解説した事典。

テーマ:鉄道 - ジャンル:趣味・実用