理系・文系を重ねて見る光景は
安全保障の夢 マイティジャックふたたび
円谷プロがはじめて大人向きに挑んだSF特撮作品「マイティジャック」。
今は大人もアニメやSF、ファンタジーも違和感なく見る時代だけど、すこし時代が早かったのかもしれない。
でも早かったからこそ、CGでもないアナログな伝統芸なまでの日本特撮の粋を大人の作品で見られるのだからね。
今やアニメも特撮もすっかりCGとなってしまい、セルアニメや特撮の技術は失われつつある。
そうした技術伝承は様々にあって、時代劇などでも制作され続けなければ失われてしまうものがあり、二度と取り戻せないということもあるから、細々でもいいから続けてもらいたいものです。
映画「シンゴジラ」ではCGと合わせて、かつての特撮の技法もあえて使われていたけど、まあ、これらも日本特撮に思い入れのある庵野監督や樋口監督がいればこそで技術伝承の見通しは暗い。

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さて「シンゴジラ」で話題となったのは自衛隊の防衛出動へのシュミレーション。
大真面目で石破元防衛大臣も語っていたから、やはり、アニメで学ぶ国なのだなあ。子供も大人も?
思えば、戦後の日本の防衛論がいささか現実離れ、甘くなりがちなのは日本国憲法や長く平和が続いたこともあるけど、「サンダーバード」「科学特捜隊」「マイティジャック」「ゴジラ」など、戦う相手が災害・宇宙人・怪獣・秘密結社だったりしたからでしょうかね。
まあ、「サンダーバード」は外国作品だけど、子供の頃はこぞって見たのだ。
だとすれば、日本SF、特撮はある意味、ほんとうに理想世界での戦いを描いてきたのだろう。
まあ、だから悪いことではないけど、いやだから、世界中の人に見てもらい共通認識(地球は一つ)しないと、安全保障の議論のベースが合いませんって!?
といっても2000年も戦いの歴史が続くパレスチナなど、紛争地帯に生きる人々にとっては夢の夢なのだろうけれど、オリンピックやサッカーなどスポーツのような夢が必要なように、日本の伝統アニメや特撮もまた世界の夢ということで。
また作らないかなあ、「マイティジャック」。
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あだち充ヒロイン総選挙
「タッチ」の浅倉南、「H2」の雨宮ひかり、「みゆき」の若松みゆき......。数々のヒット作で知られる漫画家のあだち充さんが描いてきたヒロインの中で、人気ナンバーワンはいったい誰なのか。
「あだち充ヒロイン総選挙」は、2017年7月26日発売の「サンデーS」の誌上で開催された。あだちさんが描いた全15作品に登場する総勢38人のヒロインを「ADC38」と名付け、その中から「センター」を決めるというコンセプトだ。しかし、投票候補となったヒロイン総勢38人の「顔ぶれ」を見たネットユーザーからは、「見分けがつかない」との声も。  
投票候補となったのは国民的野球漫画「タッチ」のヒロイン・浅倉南をはじめ、いずれも人気キャラばかり。三角関係の恋愛模様を描いた「みゆき」からは、若松みゆき、鹿島みゆきの両ヒロインがエントリーしている。(J-CASTニュース)

ついに出たか。マンガ専門誌あたりではしばしば話題になったり、人気投票的なものもあったりしたのだが、とうとう総選挙か。
まあ、あだち充のヒロインは誰も総選挙など興味ないだろうけれど。
「あだち充は世阿弥である。 秘すれば花、『タッチ』世代の恋愛論」(ツクイ ヨシヒサ著)ではないけど、世阿弥ですからね、秘すれば花ですよ。総選挙で競うようなAKB的なことに彼女たちの興味があるはずがない。
「タッチ」などが典型で、もう幼なじみの出会った頃から好きなのに、もう最終巻まで告白しないのですからね。

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言葉にしないと始まらないのかもしれないけど、言葉にすれば終ってしまうし、行間に思いを閉じ込め、溢れさせて、26巻まで持たせる何気に優しい力技。
見分けがつかないという声も多いらしいけど、僕はわかりますね。
行間ではなく、絵から、空間から立ち昇るなにかがそれぞれにちがい、長年の読者に植え付けられた何かが受容するのかも知れない。ほんとうか!?
まあ、僕は若松みゆきということで。

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むしろ、AKB48や乃木坂46のほうが区別がつかなくなってきた。
いよいよ、年なのか。
弾なんかはねかえせ ヤー
ラジオ深夜便、たまにアニソンだってかかりますね。
先日の「べっぴんさん」では大阪万博も始まり、昭和の高度成長期で何もかも単純に未来を信じていたあの頃。
アニメも少し前後はするけれど「鉄腕アトム」「ビッグX」「スーパージェッター」など、まだまだ単純に科学の未来を信じていたあの頃。
歌も子供らしい単純さに満ちて元気があった。
といっても作詞では詩人の谷川俊太郎、作曲でも富田勲など、巨匠がずいぶん関わっていたりします。
この二人が作詞、作曲を手がけた名作が「ビッグX」。

弾なんかはねかえせ ヤー
ジェット機だって手づかみだ ヤー
鉄の身体がモリモリ伸びる
立ち上がれビッグX

軍艦なんか踏んづけろ
戦車だって手づかみだ
鉄の身体が正義を守る
立ち上がれビッグX

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あらためて聞いてると、気持ちのいいくらい乱暴な歌だなあ。
とても谷川俊太郎の作詞とは思えないような気もするけど、当時は子供の正義はこれくらいでいい…
ということなのだろう。
富田勲の曲もまた勇ましいのであった。

画像はまさに万博を翌年に控えた1969年の東映まんがまつりの映画ポスター。
見て知って遊んで楽しい万国博。
波乱の展開の「カルテット」は青春の光と影。

テーマ:アニメ - ジャンル:テレビ・ラジオ

文化と経済のスパイラルもほどほどに
マンガ・アニメ・ゲーム、さらにはJ・ポップ、J・ファッションなどというコンテンツが世界に通用することが理解されてから、それを市場に経済発展にどのように取り込むか試行錯誤がなされ、また爆買いからコト消費に移りゆく中で、さらに日本の風景、文化、サービスなどあらゆる日本的なものも経済的コンテンツになりうると分かった今、それらすべてを複合的に経済につなげよう懸命だけど、そればかりでいいのかなあ。
日本では文化が経済の装飾品に過ぎない時代が長く、いわば放っておかれたものなのだ。
今、文化への期待が熱く語られるのはアニメなどコンテンツが富を生み出すことがわかったからで、総論では一致を見ても、各論になると文化と経済の言葉がかみ合わなくなるのだろう。

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まあ、そもそも文化が経済の装飾品に過ぎない時代が長かったというのは文化そのものが今まで市場から無視されてきたというか、経済原理とかけ離れたところにあればこそ、独自で自由な発展を遂げてきたのだ。
古来、洋の東西を問わず芸術の発展にはパトロンの存在が大きく、たとえば茶道の利休にしても秀吉の存在を抜きでは語れないし(利休と秀吉の例は微妙かな?)、基本的にパトロンというのは富も権力も持ちえているけど、こと芸術には本来、経済的原理を持ち出さない人達なのだ、たぶん。
オタクな人々は富も権力も持ちえてないけど、経済原理を越えて無償にその作品世界に奉仕する人という意味ではパトロンにふさわしいのかもしれない。
そんな世界に市場原理のみを追求してきた人たちが入り込み、市場原理に組み込もうというのだから噛み合うはずがない。
「風の谷のナウシカ」で語られるように「多すぎる火は1日で森を焼き尽くし、風と水は100年をかけて森を作る」、せめてこれくらいの経済原理に留めてくれないとなあ。
そうでないと、豊かで穏やかな青く美しい海も飽くなき経済原理というピラニアにあっという間に食い尽くされしまうかもしれない(ピラニアは海にはいませんけど)。
そんな今、政治の世界にさえ経済原理、ビジネスの手法を携える大統領が登場した!?
ここはオタクの踏ん張りどころなのかもしれない。
夢をカタチに! 究極の肉体表現“バレエ”」アラベスク
『ぼくらはマンガで強くなった〜SPORTS×MANGA〜』は見てしまうのだが、先日はついに「夢をカタチに! 究極の肉体表現“バレエ”」、すなわち「アラベスク」(山岸涼子)ですね。
他のここで取り上げらたマンガもそうだけど、やはり日本のバレエ人口、世界トップ級が輩出するゆえはやはり「アラベスク」にあったか。
テレビ出演のない山岸涼子さんは文章を寄せていて、まだ本格バレエの資料もあまりない時代、ほんとうに綿密に取材をしたのだなあ。
あの美しいグラン・ジュテなどの動きはほんとうにリアルな構図だったのだ。
そして物語性の豊かさも相まって、トップを目指すようなバレエ少女が続々と生まれ、今もまた読み継がれる傑作となった。
僕なんかでもレ・シルフィードなんてのも名前だけはスラスラ出てくるのだよ。

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そして、日本のバレエ水準が格段に上がった今、ふたたび描かれたのが「舞姫 テレプシコーラ」。
いったいどこまで日本のバレエを引き上げるのだ、山岸涼子…、とも思うけど、日本のマンガも変わりつつあるからなあ。
また、バレエ水準は上がっても日本においてバレエではじゅうぶんな活躍の場はなく、多くは海外に出ざるを得ないという。
日本にほんとうの意味でのバレエ文化が根付くように描きつなぐ山岸涼子さんなのでした。
バレエはフィギュアスケート、新体操、シンクロナイズドスイミングなどの原点にもなりますものね。
人間の身体が表現することだできる最も美しいもの、それがバレエです~山岸涼子
それを忠実に描ききろうというのだから、すごい。

ちなみに少女マンガ好きな僕が中でも好きだったのは「アラベスク」、「エースをねらえ!」(山本鈴美香)、そして「真由子の日記」(大和和紀)だったろうか。少女マンガはやっぱりすごいよ。
残りわずかだけど、京都国際マンガミュージアムでは2月5日まで「LOVE♥りぼん♥FUROKU250万乙女集合!りぼんのふろく展」をやっているけど、少数ながら、見たいなあっていう男の子もいるだろうなあ。
案外、坂井修一(東大教授、歌人)、大塚英志(『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代)などの姿もあるかも。