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理系・文系を重ねて見る光景は
女性客を呼んだ桃井かおりの「もう頬づえはつかない」
桃井かおり主演の「もう頬づえはつかない」は「岐阜日劇」では滅多にない若い女性向けの封切り上映する話題作だった。
見延典子のベストセラー小説の映画化ですね。とりたてて賞の受賞などもなかったのだが、早稲田文学に掲載された現役女子大生の作品として話題になり、またタイトルもよかったのだろう。ベストセラーとなって映画化ともなった。
「岐阜日劇」は多くはB級映画で男性客ばかりだったから若い女性で場内が埋まるというのは、僕のいた頃としてはこの映画館では初めての経験だった。
まあ、女性客の多くも同様でこの映画で初めて知る映画館だったのだろう。
なぜにこんな場末感漂う廃れた劇場でっていう気分がありありで、「え、ここ?」みたいな感じだった。

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併映されていたのは「Alice THE MOVIE 美しき絆」でアリスのコンサートツアーフィルムですね。アリス(谷村新司・堀内孝雄・矢沢透)は人気はあったけど、女性には人気があると言えなくて、なぜこの二本立てだったんだろうなあ。
未見だけど桃井かおりのデビュー作で田原総一朗が監督を務めた「あらかじめ失われた恋人たちよ」だったらよかったのに。
これはなかなか見る機会がない。

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田原総一朗監督も異色だけど、石橋蓮司、加納典明、カルメン・マキ・緑魔子ってのも癖が強いなあ。先に紹介したように藤田敏八監督の「エロスは甘き香り」にも桃井かおりは出演しているけど、この映画、助監督は長谷川和彦で、彼の初監督作品「青春の殺人者」(水谷豊 原田美枝子)にも出演している。
テレビドラマでは「それぞれの秋」で女子高生、「名門私立女子高校」では先生をやっていて、どちらも好きだったなあ。本も書いていたり多彩な女優だった。

「もう頬づえはつかない」も二週目・三周目ともなるとさすがに人も少なくなり、僕はときどき映画を最後部の座席で見ていた。
桃井かおりの煙草の吸い方がかっこよくて、ここだけは何度も見ている。
「岐阜日劇」で他に封切りでヒットした映画ではさだまさし主演の「翔べイカロスの翼」もあるけど、これも男性客。
画像のシネガイドにあるように「影武者」など封切りもやっているけど、「岐阜東宝」の拡大ロードショーのおまけみたいなもの。

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他に女性客が比較的多かったのは「翼は心につけて」くらいだろうか。
まあ、人はあまり入らなかったけど、若い女性ばかりだったクロード・ガニオン監督の「keiko」というのもあった。
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テーマ:邦画 - ジャンル:映画

岐阜 柳ヶ瀬愛の伊藤英明 青春の岡田奈々
最近は岐阜も有名な俳優や歌手、伊藤英明、綾野剛、LiSAなど多くを輩出するのだが、昔は野口五郎、岡田奈々くらいだった。
ほんとうに多いのは作家だったりするのだけどね。池井戸潤(半沢直樹、下町ロケット)、奥田英朗(空中ブランコ)をはじめ、冲方丁(天地明察)、堀江敏幸(熊の敷石)、米澤穂信(満願、氷菓)、朝井リョウ(桐島、部活やめるってよ)、中山七里(さよならドビュッシー)、北川悦吏子(半分、青い。)小川一水(天冥の標)などの人気作家が揃っています。
俳優の伊藤英明は地元岐阜愛が強くて、もう廃れて人出もあまりなかった『ぎふ信長まつり』で、男気を見せて2009年伊藤英明が信長公で登場した時は数十年来見たことない人出となった。
荒々しさ、カブキぶりを際立たせた片肌脱いだ、いかにもな伊藤英明であった。「麒麟が来る」の斎藤義龍もよかったけどね。
僕がはじめて伊藤英明を見たのは映画「LOVE SONG」だったかなあ。
仲間由紀恵がまだ女子校生役で、伊藤英明はレコード店の店員だった。
尾崎豊のアルバムにまつわる青春ストーリーなのだけど、舞台はレコード店で懐かしくすこし感情移入するなあ。
まあ、仲間由紀恵のような女子校生はなかなか来ないし、そんな青春ストーリー生まれないんだけどね。
さて、その伊藤英明、ほんとうに岐阜愛というか柳ヶ瀬愛がすごいと思うのは、映画「252 生存者あり」のときには岐阜でも舞台挨拶があったけど、ふつうならおそらく、動員力の高い岐阜カラフルタウンや各務原ワーナーマイカルなど郊外の大手シネコンでやるであろうところを、かつての映画の街 柳ヶ瀬のシネックスで行われたのだ。
伊藤英明にとって映画といえば柳ヶ瀬で、柳ヶ瀬の復活に力を貸したかったのだろう。すぐ近くにベンテンドーあるしね(伊藤英明オススメの栗粉餅の発売元)。
ずいぶん義理堅い人なのだ。映画好きだからきっと一度くらいは岐阜日劇にも来てくれたに違いない!?

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片肌脱いで、手を上げて大勢の観客に応える伊藤英明。

岡田奈々は僕の同時代のアイドルで、一度、制服姿の岡田奈々を駅で見たような記憶があるけど、岐阜日劇に来るってことはなかっただろうなあ。でもまあ、岡田奈々のヒット曲「青春の坂道」に

♪寂しくなると訪ねる坂道の古本屋 立ち読みをするキミに逢える気がして♪

とあるから、古い二番館岐阜日劇に名画を見るようなキミがいればそっと覗いてくれたかもしれない。

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浴衣姿がかわいい。長良川河畔にてということはない?

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グリコにアイドルは欠かせない。
写真は初主演映画「青春の構図」から。原作は曽野綾子ですね。
三人の女子大生が、スポーツに、恋に、ライバル意識を燃やしながら少女から大人へと成長していく様を描いた、いかにも1970年代らしい青春映画。バスケットというのが当時としては珍しいかもしれない。
共演の二人は早乙女愛と秋野暢子で、やっぱり誰よりも顔が小さくて、脚も細いなあ。

テーマ:俳優・男優 - ジャンル:映画

岐阜の映画監督 神山征二郎
岐阜で著名な映画監督といえば篠田正浩ということになるのだろうけれど、もう一人、神山征二郎監督がいらっしゃいますね。
地元、岐阜の揖斐川の上流に作られた徳山ダムに沈む徳山村を描いた「ふるさと」は加藤嘉主演でモスクワ国際映画祭の最優秀主演男優賞も受賞し、他にもやはり地元を題材とした「郡上一揆」など佳作も多いのだけど、マイナーな印象なのが残念です。
のちにリチャード・ギアでリメイクもされた「ハチ公物語」などヒットもした映画もあるのだけどね。
僕のいた駅前日劇では神山征二郎監督のデビュー作「鯉のいる村」と「看護婦のオヤジがんばる」というのを上映したことがある。「鯉のいる村」は新潟県山古志村(新潟県中越地震で甚大な被害を受けた)、四季折々の自然が美しく、震災前の記録としても意味のあるものとなった。「看護婦のオヤジがんばる」というのも独立系のマイナーな作品で前田吟の主演。
ずいぶん前にNHK 「鶴瓶の家族に乾杯」のゲストが前田吟のとき、訊ねたのは青森県の八戸市で「看護婦のオヤジがんばる」の舞台、ロケ地でもあった。初主演映画でもあったのだろうか。
映画「男はつらいよ」で寅さんに労働者諸君と常に揶揄されていたさくらの夫ヒロシに相応しい役柄でもあった。

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いずれもマイナーな映画なので見た人は少ないだろうなあ。「二つのハーモニカ」「あすも夕やけ」とかね。
また神山征二郎はアニメ「トム・ソーヤの冒険」(だったかな?)でも名前を見ますね。「麒麟が来る」などの脚本家の巨匠 池端俊策も最初はタツノコプロに入っていたからなあ。
他にも共同映画の配給などでは「翔べ、イカロスの翼」や「翼は心につけて」はけっこう入ったりした記憶がある。
昔の二番館、「岐阜日劇」でもこんな良作も見られたのだ。

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「翔べ、イカロスの翼」はさだまさしの主演。主題歌「道化師のソネット」が泣かせます。
「翼は心につけて」の主演の少女は石田えりで、あのはかなげな少女が、あんな大胆な女優になるとは思わなかった。

テーマ:昔の映画 - ジャンル:映画

岐阜日劇の「矢沢永吉RUN&RUN」
さて、ここからは僕が廃館まで配属されていた「岐阜日劇」のお話です。
僕は最初は岐阜東宝・岐阜松竹(建物が一緒だった)に配属されていたのだが、出来の悪い営業だったので(映画好きなだけで仕事が分かっていなかった)、1年で二番館であるリバイバル専門の駅前日劇に飛ばされてしまった。

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左は「岐阜日劇」で「矢沢永吉RUN&RUN」は「BLACK EMPEROR」「十九歳の地図」との3本立てだった。右は丸の内松竹の上映風景でけっこうな行列となっている。

「岐阜日劇」は廃館も噂される老朽化した映画館だった。二番館なので映画の編成はかなり自由に組めたたけど、多くは予算もないし、結局のところB級作品ばかりで多くはガラガラだった。このころの事情はまだ創刊して間もないころの月刊誌「噂の真相」に「地方都市二番館事情」としてルポを書いたことがある。
けっこうヒットしたのは「矢沢永吉RUN&RUN」で、特に思い出すのは、オールナイト上映のときのこと。
そりゃあ、いつもと違ったいささかこわもてのお兄さん達がバイクをブンブン鳴らしてやってきた。
バイクも道まで溢れ、警察官もやってきたけど、まあ、深夜のこと、うるさいことは言われなかった。
オールナイトは窓口も売店も男でやるから、支配人と僕がやるのだが、ビビりながらチケット窓口にいると、いきなり「男2枚」。
(あ、大人2枚ね)、さすが漢 矢沢のファンなのねと思ったのでありました。

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かっこいい、漢 矢沢永吉のキャビネ。矢沢事務所の封筒。

ロッカーな人は意外に真面目で優しかったりしますからね。
電車で座席を率先して譲るロックなお兄ちゃんも見たことがあるしなあ。
矢沢ファンは人生を重ね合わせて頑張る人が多いと言われ、たとえ倒れても、立ち直りのタフさが矢沢ゆずりです。

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こちらはロードショー公開時のもので、同時上映は「ローラー・ブギ」で主演はリンダ・ブレア、「エクソシスト」の憑依された女の子ですね。先のオールナイトの記憶はこちらの時だったかもしれない。
この細長い変形横長の映画チラシは、永ちゃんのタオルに準じるのだろうか。

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岐阜映画館事情番外編2 成人映画
岐阜の成人映画館については「新岐阜ニュース館」「朝日館」「東海劇場」の3館があって、僕が行ったのは「新岐阜ニュース館」ですね。ここは一般作と成人映画2本の3本立て上映が多く、いちおう、一般作を見たいがために入るのだという、ささやかな言い訳が出来る環境があった。映画館としてもそういう意図があったにせよ、妙な組み合わせが多かった。昔のビデオレンタルみたいに3本のうち、1本がアダルトを借りていたみたいな。地方では大学生が入るのもけっこう勇気がいったけど、日活ロマンポルノは全共闘後の青年たちが挫折を抱えて、雑誌・映画などサブカルに場所を移していたこともあって、メジャーな人が関わったりしていたからこれも言い訳になったかもしれない。
まあ、テーマ性だろうがアナーキーだろうが裸さえあれば、表現としては自由な空間だったのだ。のちの活躍をみれば、実際、ここで才能は磨かれたのだ。
監督でいえば神代辰巳、藤田敏八、根岸吉太郎、高橋伴明、大森一樹、あるいは「おくりびと」でアカデミー賞監督となった滝田洋二郎監督もそうですね。助監督には長谷川和彦、相米慎二もいる。
女優はロマンポルノ女優とも言われたりもしたけど、やはり覚悟の女優は強く、今でも名バイプレーヤーとして活躍する人もいます。
男優でも大杉漣や風間杜夫もロマンポルノに出ていたりしているけど、別に隠すこともなく、大杉漣さんなどは俳優でブルーリボン賞とピンクリボン賞をともに受賞しているのは僕だけとおっしゃっているのでした。

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「エロスは甘き香り」では桃井かおりが出演していて、その後、さらに一般的にも有名になって再注目され、ポスターもキャスティングもメインに押し出されて再公開もされている。まあ、大女優桃井かおりは気にもしないだろうけれど。なんたってこの映画、監督は藤田敏八、さらに助監督は長谷川和彦ですからね。僕はラジオで「桃井かおりのアクロス・ザ・ナイト」だったかな?もよく聞いていて、変わらぬアンニュイな話し方、声が好きだった。

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目を凝らすと風間杜夫、大杉漣の名前も見つけられます。成人映画のポスターまで集める気はなかったのだけど、どこの映画館だったか、ごっそりあってもらい受けてきた。他にも美保純、宮下順子、荒木一郎、内田裕也、山谷初男、川谷拓三など様々な才能が出演しています。

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「二十歳の原点」でデビューした角ゆり子が日活ロマンポルノ「嗚呼!おんなたち 猥歌」に出たのはちょっとショックだった。当時の高校生の性意識の調査もあるけど、たいていの学生にとっては映画、妄想の世界だった。

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成人映画もずいぶん新聞広告(夕刊)が出ていて、そりゃあ、中高生の目も引くでしょう。
クリント・イーストウッドだって成人映画でもないのに「白い肌の異常な夜」でずいぶんなキャッチコピーが付いているし、名優ヴァネッサ・レッドグレイヴの「怪奇な恋の物語」などは、さらに「陰獣の部屋」と作品名よりでかく勝手に余分な副題を付けていますからね。映画好きの宣伝マンとしては忸怩たるものがあっても、とにかく目を引くことだったんだろうなあ。

テーマ:映画館 - ジャンル:映画