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理系・文系を重ねて見る光景は
小さな恋のメロディ ふたたび
NHKBSで「小さな恋のメロディ」があってまた見てしまった。だって、心憎い時期に放送してくれるじゃないですか。5月12日ですよ。まさに「若葉のころ」(First of May)。もう、この映画については何度も書いてるので、改めて見た散文的な印象だけを。
まず学校、イギリスの庶民的な学校で、それでも少し当時の階層的な社会がほの見えます。先生たちが黒マントを付けていたり、伝統的・権威的な感じもあり、ちょっと「ハリーポッター」の由緒正しい先生たちのようでもありますね。あれはオックスフォード大学をイメージしたところもあるみたいだけど、庶民の学校においても先生というのはそうかもしれないなあ。
親の家庭環境によって、なかなかそこから抜け出すことが出来ない、だからちょっとしたからかい、いじめ、いたずら、反逆というような当時のイギリスを子供の視点で描かれるような。まあ、イギリスの学校も、ましてやオックスフォードなんて100%知りませんけど。

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また、爆弾を作る仲間の少年が出てくるのだが、僕も子供の頃、ひとりで花火の火薬を詰め直したり、傘の柄を利用した発射装置作ったりしたことがあって、子供ってああいうことするよなあと思っていたら、先日、家庭菜園のエンドウなどを届けてくれた友人が、高校時代の同級生と作ったラインを見せてくれて、なんと爆発物を作ったような話が出ていた。爆発物というかロケットを飛ばそうと思ったらしい。僕は全く知らなかったけど、そんなクラスメートもいたのだなあ。
まあ、「小さな恋のメロディ」は小学校なのでいたずら程度だけど、高校生ともなると「遠い空の向こうに」の科学ロケット少年に近い。「遠い空の向こうに」は米映画で世界初の人工衛星スプートニクが空に描く美しい軌跡を見て、すっかりロケットの魅力に取りつかれてしまう少年達の物語だけど、やはり当時のアメリカ南部の保守的な風土、田舎の炭鉱町に住む少年たちが都会に出るためには、アメフトのトップ選手になって大学の奨学生になるくらいで、少年たちは無理解と偏見のなかで、そしてささやかな応援もあって全米科学コンクールでグランプリを得てチャンスをつかみ取るのだ。
あの頃、どこの国のどこの少年少女にもあったり大人たちへのささやかな反逆。工業高校ではメロディのような可愛い女の子もいなかったしなあ。

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「小さな恋のメロディ」はやはり映像と音楽がいい。映画館では岐阜駅前日劇で見ている。

Don't ask me why, but time has passed us by(「若葉の頃」から)

今思えば、時はあっという間に過ぎてしまうんだよなあ。輝く日はとりわけ。
だから青春の日々は輝くときもどんよりした時も土砂降りのような時であっても大切に生きてください。
と、ラストのティーチ・ユア・チルドレン (CSNY) ごとく、おせっかいな話でした。
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テーマ:洋画 - ジャンル:映画

洗い物の順番 多部未華子お姉ちゃんの教え
僕は多部未華子ちゃんが好きでドラマも映画もずいぶん見たけど、CMも増えてきましたね。結婚もされたから家庭用品のCMにも起用されるのだろうけれど、気になるのは台所洗剤の新キュキュット。
兄弟姉妹で仲良くお皿などを洗っているのだけど、そこはさすが長女の多部未華子さん、「あっ、ちょっと 先にコップ 次にお皿 ギトギトのフライパンは最後」と的確にアドバイスをするのだが、「姉ちゃん 難しく考えない!」「考えずに洗うのだ!」「どういうこと?」「この泡に任せちゃえばいいんだよ ギトギト油をギュッと包み込むから、たとえフライパンのあとでもほらキュッと落とす!」

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多部未華子は日清製粉ウェルナのCMでも歌声を披露しているけど、この映画でも優しい歌声が聞けます

多部ちゃんも思わず「すごっ!」と言っちゃうけど、まあ確かにすごいんだけど、やっぱり洗う順番くらい覚えておいた方がいいでしょう。世の中、何が起こるかわからないから、いざという時のためにも先人の知恵というのはきちんと引き継いだ方がいいと思うんだけどなあ。いつも優れた洗剤があるとは限らない。
ちょうど、経済安全保障推進法(半導体など戦略的に重要性が増す物資で供給網を強化し、基幹インフラの防護に取り組む体制を整える)が成立したところだけど、こういう日常の経済安全保障も必要でしょう。経済安全保障推進法は戦略物資の調達を海外に依存するリスク、基幹インフラの外国への依存リスク、サイバー攻撃によるシステム障害や情報流出のリスクなどの経済安保の確保を図るけれど、実は日常の様々な「名もなき生活の知恵」が災害時などが経済安保に役立つのであり、食糧自給などもこの延長線上にあって、いわば日々の日常を大切にすることこそが国益の基本。いくら経済安全保障推進法を作っても、基礎ともなる日常の様々な「名もなき生活の知恵」をおろそかにするようではなあ。
このCMはキュキュット「難しく考えない」篇というらしいけど、これくらいは考えないと。けっこう笑えない現実も起こっているらしいからね。他にもキュキュット 「クリア除菌泡スプレー がんばらなくていい篇」もあって、いや、これくらいは頑張らないと。
もちろん、製品の技術革新そのものは素晴らしいですけどね。
ウチも使っているけど多部ちゃんの洗い物の順番は守っています。

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画像はアリシア・ベイ・ローレル「地球の上に生きる」。「猿の惑星」のように文明が失われることになったら、そこまではなくても一時的に災害時などには失われることがあり、多くの文明の機器など役に立ちませんよ。
こんな本の知識もいちおうは持っていたほうがいいのかもしれない。意外とネット上にもこの手の知識、溢れていたりもするけど、やはり僕は本がいいな。
自然の中で生きるためのシンプルでナチュラルライフの手引き書、僕の学生の頃当時のヒッピーのバイブル?のようなちょっと怪しい本で、僕は読むだけで実践はしなかったけれど、でもまあ、心構えだけはできたかもしれない。
シン・ウルトラマンの特撮技術 庵野秀明が引き継ぐもの
GW中に放送されたバラエティ「1周回って知らない話 2時間SP」で、庵野秀明企画・脚本、樋口真嗣監督の映画「シン・ウルトラマン」の番宣なのかヒロイン役の長澤まさみがゲスト出演し、「歴代ウルトラヒロインの歴史と撮影現場での苦労を知りたい」とのことで、懐かしや初代ヒロイン桜井浩子が登場した。今は円谷プロのコーディネーターをやっているという。

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特撮の父 円谷英二監督

宙吊り撮影とか、火花に当たっても動けないなど、CGのない時代ならではということだけど、長澤まさみも言っていたように宙吊りくらいは今でも当たり前にあるのだろう。安全管理は数段厳しくなっているけれど、安全確保の技術もやはり同じように上がっているから、もっと過激な場面も返って増えているのかもしれない。
ウルトラマンシリーズはスタジオ内にミニチュアの都市などを組み立て、怪獣との戦闘場面撮影する手法で人気を博したのだが、CGを活用すればもっと映像効果の高いものが作れるのだろうけれど、あの創意工夫に満ちたアナログの特撮技術が失われるのはなあ。
「シン・ウルトラマン」の樋口真嗣監督が言っていたのだけど、映画「メリーポピンズ」(1964年制作)でメリーポピンズが空から降りてくるシーンがあって、まあ、一見、よくある特撮と思いきや、実はどう撮影されたのかよくわからないのだという。

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左下のメリーポピンズが降りてくるシーン

技術的伝承はどんなものでも一度失われると再び取り戻すことは非常に困難だということを示しますね。
庵野秀明、樋口真嗣はともに特撮世代で、あの頃の特撮にも愛着、造詣も深いので「シン・ウルトラマン」もとても楽しみです。なにしろ、自主製作だった快作「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」では庵野さん、顔出しウルトラマンを怪演していたのだ。それにしても特撮ヒロイン、桜井浩子やひし美ゆり子なども好きだったけど、今ではトップ女優長澤まさみが洋々と務める時代となったのか。そしてヒーローも監督も。
インディ・ジョーンズに見るアステカの戦い
先の「勝てばいい、これでは下郎の生き方だ…」という色川武大の言葉だけど、これでちょっと思い出したのが、こちらのコラム。

精神世界におけるコミュニケーション、すなわち、神や死者、先祖というものとのコミュニケーションの重要性を指摘したのは、ブルガリアの思想家ツヴェタン・トドロフで、たとえば南米のアステカ文明が滅びたのは、コミュニケーションのちがいという。つまり、アステカは神とのコミュニケーション優先し、人同士のそれを優先したスペインに負け、だが同時にスペインはその時点で大敗したともいう。他者がはたしてほんとうに敵なのかという信託を神に問い、戦いを躊躇したアステカと、躊躇うことなく殺戮に徹したスペインを対比したとき、人類史と長い目で見れば、コミュニケーションの生産性という観点からして実質的に勝ったのはアステカではないかというのだ。(中日新聞 山本伸 四日市大学教授 カリブ文学)
さらに続けて、「人間のコミュニケーションを構成する三つの層があり、上から順に人同士の見える、聞こえるコミュニケーション、自然との見えるが聞こえないコミュニケーション、そして神や死者との見えない、聞こえないコミュニケーション のうちの下二層こそが大切なのだと。
SNSは下二層のコミュニケーションを奪い取るように拡散するけど、やはり大切なものは目に見えないこともあって、人間は思わぬ危機に巡り合えば絶句したり、立ちすくんだりする。最近はそんな様子でも見せれば、あっという間にその隙をつくような、AI的というか即物的な、身も蓋もない、すなわち「勝てばいい」というような判断・行動が増えてきているような気がします。
絶句したり、立ちすくんだりするのはなにも信託を神に問いかけているわけでもなく、緊急避難的な一時的な思考停止であり、正確な判断をするための手順の一行程でもあると思うけど、そんな状況にも容赦なく突っ込んでくるような時代なのだ。
まあ、アステカとは言わないけど、日本も島国で幕末まで長く他国、他民族の脅威にさらされることは少なかった。
平安貴族などを見ていると心配事は陰陽道に託し、男も女も恋にうつつを抜かしている。鎌倉や戦国時代のような時もあるけどね。
他国、他民族の脅威がないということは人とのコミュニケーションばかりではなく、自然や神、あるいは平和や愛、希望といった概念とのコミュニケーションを重視するのかもしれないなあ。
かたやヨーロッパ、中東、アジア…どこも戦争の歴史だからなあ。人同士の見える、聞こえるコミュニケーションもこれはこれで難しく、SNSともなれば見える聞こえるも怪しい。

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画像は映画「レイダース」。インディジョーンズは追ってきた勇猛果敢な男たちと剣での戦いを始めるかと思いきや、剣を引っ込め、あっさり銃で撃ってしまう。まあ、卑怯ということでもなく異文化とは自分たちの常識の枠の外にあることをこの冒険家で考古学者の乱暴な教えでもあるのだろう。かたや善意もそうで、たとえば最近話題となった「千羽鶴」などもそうかもしれない。

スピードなのか逡巡なのか、アステカの文明はなにか日本の滅びの美学に通じるようなものを感じるけど、決して敗者の負け惜しみというものでもない。
悠久なる宇宙の、地球の、生命の、人類の歴史…、名を残すものはなんだろう…なんてきちんと考えてくれると、世界はもう少し平和になるのだろうけれど。もっともさらに宇宙の歴史にとっては「人類の歴史など毛ほどもないわ」なんて身も蓋もないことを思っちゃうとえらいことになります。人類の奇跡の一瞬は永遠でもある。
「エースをねらえ!」で「この一球は無二の一球なり」というのがあるしね。だからこそこの一球を心を込めて大切に打たねばならない。まったく、なんでも映画やマンガに話を持っていくな、僕って。
寄席の人たち そこここにいるジミー大西
過去ブログ(一部修正・加筆)より、もう一本、生きにくい子供たちへ。これもまたちょっと特殊な世界かもしれませんが。

寄席に関わる様々な人々、高座のみではなく裏方・周辺すべての人たちも、実はあっと驚く人生を抱えていたりするのを教えてくれるのが「寄席の人たち」。回り道、道草、理不尽すべてのものが生きてくる世界は、いささか不条理だけど豊かで面白く、そんな世界のひとつが「寄席」なのだ。
まったくどんなきっかけでどんな人生が待ってるか分からない。
紙切りの名人は実は不器用で工作の苦手な引っ込み思案の少年だったり、だまされたり、理不尽だったり、きっかけは様々だけど、いつしか惹かれその世界で、過酷だったかもしれないけど豊かな人生が溢れてくる…と思わせてくれます。
朝ドラ「ちむどんどん」のニーニーこと賢秀も今のところずいぶんな人生だけど、周りの姉妹などを含めて過酷ながら豊かな人生も溢れてくるのでしょう。まあ、すべてがというわけにはいきませんが。

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寄席の人たち 現代寄席人物列伝
2008年 第21回 大衆文学研究賞・評論・伝記部門受賞

噺家、紙切り、三味線漫談、漫才師、講釈師等々…。芸人だけではなく、
席亭、お囃子さん、寄席文字の師匠など寄席を支える「寄席の人たち」10名を徹底ルポ。
意外な人の意外な素顔と、悩みとおかしみと波乱に満ちた人間ドラマ…。
読んでおもしろく、知ってためになる、そして何より寄席に行きたくなる、極め付けの本。

[目次]北村幾夫(末廣亭席亭);柳貴家小雪(大神楽);稲葉千秋(お囃子)
;北見マキ(手品);宝井琴調(講談);林家正楽(紙切り);橘左近(寄席文字書家)
;三遊亭小円歌(三味線漫談);あした順子・ひろし(漫才);三笑亭夢丸(落語)

先日の「徹子の部屋」のジミー大西の小学校時代の切ない初恋、当人たちも周りの人たちも優しくて泣けたな。
まだこんな学校もあったのだ。
この頃のほうがよほど、妙な支援などなくてもそれぞれの子供たちに寄り添い、子供たちも惑いながらも学ぶ「インクルーシブ(包摂)教育」(障害のある児童が通常の学級で共に学ぶ)が出来ていたのではないか。
いつの時代にあっても難しいことには違いないけど、上からばかりでなく共に横に並んでみないとわからないことも多いのだろうなあ。
今、岐阜県美術館では塔本シスコ展をやっているけど、ジミー大西の個展も見たいものです。

テーマ:伝統芸能 - ジャンル:学問・文化・芸術