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理系・文系を重ねて見る光景は
蛍草に目がとまる暮らし
現在、NHKで「蛍草 菜々の剣」が再放送中だけど清原果耶が可憐だなあ。
蛍草とはつゆ草のことでまさに可憐。おまけにエンディングに流れるタイトルバックの絵も楚々として可憐尽くしの装い。
物語は陰謀渦巻く小藩の争い、そしてヒロインの仇討の話でもあるのだが、初回に奉公先の優しい奥方様から「小さな花に目がとまるのは、心が豊かな証です」と声をかけられて、もう、これでささやかでも豊かな世界観が広がります。

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僕は「花の子ルンルン」から「ベルサイユのばら」「灰色の御花」「美しい人」「薔薇のない花屋」「風のガーデン」など、花がテーマのような物語が好きなのだが「蛍草」もそうですね。
「花の子ルンルン」では花言葉が毎回添えられていて、これで花言葉を知ったり、覚えた人も多いでしょう。
クレマチス、タチアオイなど花言葉はもちろん、知らない花の名前もずいぶん教えてもらった。
ドラマ「風のガーデン」ではおじいちゃん(貞三先生 緒形拳)が育てている色とりどりの花が綺麗だったけど、男はなかなか花の名前までは分からないし、ましてや花言葉まではなあ。
「風のガーデン」のおじいちゃんの作る花言葉がまた秀逸で、僕のお気に入りはプルモナリア・ルイスバルマーの「早熟な乙女はわりとすぐ老ける」。
ちなみに露草の花言葉は「ひとときの幸せ」「尊敬」「快活」「僅かの楽しみ」「豊潤」。
古来より日本では愛された花で万葉集にも多く歌われているらしく、万葉の時代から小さな花に多くの目が届いて、人々の心は豊かだったのだ。
楚々としているばかりではグローバルになった世界で政治も経済も社会も成り立たないのだろうけれど、国会での議論を見ていると、まあ、とても蛍草などには目がいかないのだろうなあ。
でも楚々として凛とした暮らし、世界からも尊敬される快活で豊潤な社会を守り、育てゆくとして万葉集から美しくも優しい令和の名を元号にしたのではないか。蛍草が一人悲しく揺れている。
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テーマ:■お花が好き♪ - ジャンル:趣味・実用

ボクたちの生態学 Please Save My Earth ぼくの地球を守って
グレタ・トゥーンベリさんの影響は大きく「Save the Earth! 地球を守れ!」「Save the Future! 未来を守れ!」の声も若者中心にずいぶん大きくなった。
僕はこの言葉を聞くとまず、「Please Save My Earth ぼくの地球を守って」(日渡早紀)を思ってしまうなあ。
1986年の作品だからずいぶん先駆的にこの言葉を使ったということになりますね。
さらにエコロジーなる言葉も一般的に知られ始めたのはおそらく1970年代頃で、ヨーロッパでは緑の党が結成されたころらしいから、反原発や地球環境を守ることへの関心が日本でも広がりを持ち始め、この言葉も浸透していったのだろう。

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僕がおそらく最初にエコロジーという言葉を知ったのは、「ボクたちの生態学」(奥野卓司 著)だった。
けっこう読み込んだ覚えがありますね。探してみたけど、ちょっと見つからない。
生態系を守るということは、現代文明に批判的にならざるを得ないような状況を含むから、政治的な傾向を持ったり、ヒッピーのような自然との共生、回帰のような運動もあるだろう。
この本でも是非はともかく、そういう運動体のひとつとして怪しげなものも紹介されていましたからね。
エコは美名だけど、美名なだけに強引にもなりやすく、是非のバランスも崩れやすい。
でも生態系はバランスの妙ともいえるからなあ。
地球は奇跡のような生態系バランスの惑星で、そのシステムは複雑で実はまだ誰もよく分かりはしないのだ。
SAVE THE FUTURE(セーブ ザ フューチャー)はもちろん、そのとおりなのだけど、人の手に余る。
それはともかく。
当時、学生のヒッピーが目指す場所のひとつにスウェーデンがあり、映画「パッチギ」でもスウェーデン幻想の青年が出てきたからけっこう浸透もしていたのだろうなあ。
まあ、僕なんかもなんとなくスウェーデンに憧れたけど、「11PM」の怪しげな情報の影響だな、たぶん。
この映画を見たときは、やはり、同じような奴がいたのだと少し安心した。
でもスウェーデンはやはりSAVE THE FUTUREな学生が目指す場所だったのかもしれない。
グレタ・トゥーンベリさんを生んだのだからね。

画像は「Please Save My Earth ぼくの地球を守って」の木蓮さん。
ダイヤモンド・プリンセス内でのパンデミック
感染症対策に詳しい神戸大医学部の岩田健太郎教授が18日、政府の許可を得て、横浜港で検疫中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船した経験として、船内の2次感染リスクの管理が不十分だったと指摘する動画を公開した。菅義偉官房長官は19日の記者会見で「感染拡大防止に徹底して取り組んできている」と反論したが、政府高官は「いろいろな指摘には謙虚に耳を傾けたい」と述べた。
岩田氏の説明によると、厚生労働省の協力を得て、災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として18日に乗船した。18日夕方に下船後、動画投稿サイトで「ウイルスが全くない安全なグリーンゾーンと、ウイルスがいるかもしれない危ないレッドゾーンが、ぐちゃぐちゃになっていて、どこが危なくて、どこが危なくないのか全く区別がつかない」「熱のある方が自分の部屋から出て、歩いて医務室に行っている」「感染症のプロだったら、あんな環境に行ったら、ものすごく怖くてしょうがない」などと訴えた。
菅氏は19日の会見で、「レッドゾーンとグリーンゾーンがぐちゃぐちゃ」との指摘に対して、「イエスかノーで答えることはできない」と回答。また感染対策の例として「乗員はマスクの着用、手洗い、アルコール消毒などの感染防御策を徹底するとともに、乗員の感染が確認された場合には同室の乗員も自室待機にするなど感染拡大防止を徹底している」と述べた。(毎日新聞)

進行中の出来事はわからないことが多いので、タイムリーに取り上げることはあまりしないのだけど、さすがに不安です。
まだ科学的にも解明されていない新型のコロナウィルスで対応も手探りなところがあるのはやむを得ないけど、ダイヤモンド・プリンセスでは多くの感染者が出て、なお感染者が増え続ける状況で、他にも感染経路が不明な感染者があちらこちらに出始めているのだから、正味、これまでの対応の早急の見直しが必要で、そのためにも批判や異論にも謙虚に耳を傾けなければならない。
この「るらら科学の子」のブログの紹介文には
-「宇宙船ビーグル号の冒険」のように細分化されすぎた分野を統合すべく枝ではなく木を、木ではなく森を-
と、ちょっと気恥ずかしくなるようなことが書いてあるのだが、この新型コロナウィルス対策では専門家の不足はもちろん、もたらされるあらゆる情報を総合的に判断、的確に実行していく責任者が船内に、対策を担う厚労省に、そして政府高官にいなかった、あるいはうまく連携することができていなかったのではないだろうか。

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ちょっと違うかもしれないけど、閉じられた空間でのパニックというテーマは映画でもよくあり、「タワーリング・インフェルノ」「ポセイドン・アドベンチャー」「ハイ・ジャック」などいくらでもあって、たとえば「タワーリング・インフェルノ」ではビル設計者、消防チーフ、ビルオーナー、あるいはビルの一般来場者なども含めて映画的なスペクタクルを描きながらも、それぞれの立場・専門性を尊重・連携し、時には命の危険も顧みず、立場や意見の相違も越えて事に当たっていくのだ。
政府が全面出るような国家的緊急事態としては「シン・ゴジラ」もあるけど、あれもそうですね。
A・E・ヴァン・ヴォクトの「宇宙船ビーグル号の冒険」には、優秀なスペシャリスト達に混じって一見何の役にも立たなさそうな科学者がいるのだけど、緊急事態が発生したとき、状況はたいてい複合的でいくら有能でもひとりのスペシャリストでは対応できず、それぞれのスペシャリストもどう連携すればいいのかわからない。
そこでこの男の出番。情報総合学という細分化されすぎた専門分野を統括するみたいな学問で、これはこの分野の専門知識、あれはこの専門家というように最終的に彼がいないと機能しない…。
1950年のSF作品で、現代はもっと細分化・複合的に錯綜し、社会的にもさまざまに多様化しているから判断もなおさら難しくなっているのだろう。
それでも、それらを統べて判断できる人なり、国なりであってほしく、またそれは社会全体で支え、積み上げられていくものなのかもしれない。
生理的老化は34歳、60歳、78歳で急激に起こる 居候三杯目にはそっと出し
米スタンフォード大学のトニー・ウィス=コレイ教授らの研究チームは、18歳から95歳までの4263名から得た血液サンプルを用いて2925の血漿タンパク質を分析し、2019年12月5日、その結果をまとめた研究論文を学術雑誌「ネイチャーメディシン」で発表した。
この研究論文では、老化は一定のペースで継続的に進行するのではなく、34歳の青年期、60歳の壮年期、78歳の老年期という3つのポイントで急激に進むことも示されている。タンパク質は、身体を構成する細胞からの指示を実行する働きを担っている。それゆえ、タンパク質レベルの大幅な変化は、身体の変化を意味する。(中略)加齢のみの要因で不可逆的に生じる生体の変化、すなわち「生理的老化」は、平均34歳、60歳、78歳の3つのポイントで急激に起こることも示されている。
多くのタンパク質は、一定のペースで増減したり、生涯、同じレベルを維持するのではなく、一定期間、同じレベルを保ち、特定のポイントで、突然上下に変動しているのだ。(ニューズウィーク)

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スティーブン・ジェイ・グールドの「ワンダフル・ライフ」でも今から5億4千300万年前のカンブリア紀に、生物は爆発的な進化を遂げ、
つまり、進化は連続的にゆっくり進むのではなく、あるとき爆発的に進化するとあったけど、それぞれの生物の成長・老化の進み方も一定ではないらしいのだ。
長い管のなかに水や空気の流体を効率的に流すのには、常識とされた一定の速度を保つのではなく、心臓から血液が送り出されるようにドクン、ドクンと脈動させた方が効率がよい(東京農工大 岩本薫特任准教授)との)研究があって、物理的にも生理的にも脈動したり、変化があったほうが効率的であり、またそれは自然の摂理でもあるのだろうか。
もっとも先にブログに挙げた研究「自然のままなら、人間の寿命は約38年」というなら生理的老化は最初の34歳にあるのだから自然のままなら、この間にこそ生理的変化があるはずで、幼年期、青少年期、老年期にそれぞれ変わるものが34歳までに終わっているのか知れない。
戦国時代や江戸時代の大名家の嫁入りなどを見ると政略結婚という意味合いがあるにしろ、10代前半も珍しくはなく、また江戸時代では20歳を超えると年増、25歳を越えれば大年増、30歳を越せばもう姥桜とも呼ばれたというから、案外、このあたりの時代が本来の人間の寿命を現すのかもしれない。実際、江戸時代の平均寿命は30代から40代ともいわれ、でもまあ、もちろん長命の人も珍しくはないんだけどね。あくまでも平均値です。
それが今では平均寿命として60歳をクリアして、ほぼ78歳もクリアしていくのだから人間ってすごい。
でもまあ、そのクリア期間も38年に始まって22年、18年と短縮されてきて、100歳くらいまでだろうか。
仏の顔も三度まで、三度目の正直ともいうし。居候三杯目にはそっと出し…こんな感じかもしれないなあ。
生理学的にも物理的にも経済的にも社会的にも。

テーマ:生物学 - ジャンル:学問・文化・芸術

人間の寿命は38年 明日からの未来でいちばん若いのは今日
自然のままなら、人間の寿命は約38年──DNAの解析でさまざまな種の寿命を推測する新手法で導き出された数字だ。
12月12日付の科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表された論文で、研究者たちは動物が年を取るにつれてDNAがどのように変化するかを調べた。そして、このDNAの変化は寿命と関連していることを突き止めた。
老化のプロセスは、生物医学や生態学の分野で非常に重要なテーマだ。動物は年と取るにつれ、生体機能が衰えていき、やがて寿命を迎える。だがこれまでは、その年数を特定するのは難しいことだった。
その点、生物の青写真であるDNAは、老化と寿命に関する洞察を得るうえで最適なものだ。しかし、寿命の差を決定づけるDNA配列を見分けることは、これまでは不可能だった。(中略)
研究の結果、世界で最も長寿な哺乳類と考えられているホッキョククジラの寿命は268年と推定された。これまでに確認されている最も長命だった個体と比べて57年長い。絶滅種のケナガマンモスの寿命は約60年だった。現生種のアフリカゾウもほぼ同じ約65年だ。ガラパゴス諸島のピンタ島に分布していた絶滅種ピンタゾウガメの寿命は推定120年。1971年に発見された最後の個体ロンサム・ジョージは、2012年に推定112歳で死亡した。
現生人類の絶滅した近縁種であるネアンデルタール人とデニソワ人の場合、最大寿命はたった37.8年だった。
一方、DNA分析による現生人類の「自然」寿命も38歳。この数字は、初期の現生人類に関する複数の人類学的な推定と一致している。医学や生活様式の進歩によって現代人の平均寿命はDNAに書き込まれた寿命よりはるかに延びたらしい。今回の研究の例外的存在と言えるだろう。(ニューズウィーク)

信長は「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」と詠ったけど、それでも本来からすれば長かったのだ。
自然の摂理から見ればおまけみたいなもので、もう倍以上もおまけをもらっているのに、さらにアンチエイジングだとか人間の生への執着というか不死への憧れはすごいな。まあ、だからこその地球の盟主か。

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ミステリー作家の東野圭吾が第1回 野間出版文化賞を受賞した時の挨拶が紹介されていて、
「子どもの頃、21世紀に自分が何歳になるのかなと考えたら、43歳だとわかって、ずいぶんおじさんだなと思ったのですが、それから18年経って、今61歳ですが、振り返ってみると、43歳若かったなと思います」その上で「あしたからの未来を含めた人生の中で、一番若いのはきょうです。来年、またひとつ歳取っちゃいますけど、きょうが一番若く、可能性があるから、これからも、みなさんに楽しんでいただける小説を書いて、出版界を儲けさせて、若い作家が育ってくれたらいいなと思います」
さすがはミステリーの名手、いいことを言いますね。
「あしたからの未来を含めた人生の中で、一番若いのはきょうです。きょうが一番若く、可能性がある」か。
老いも若きもきょうが一番若く、可能性があるのだが、あまりアンチエイジングなどにこだわっていると、
「きょうまでの人生の中で、一番老いたのはきょうです。きょうが一番老いて、可能性がない」ともなってしまうぞ。

画像は東野圭吾原作の名作「秘密」。いくつになっても秘密はある。

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